2016.01.25
毎年よくもこんな多くの商業施設がオープンするものだと感心する。2016年も全国で47の大型商業施設が出来るというから驚きだ。ビルの中にどんな店舗を入れるかが問題となってくるわけだが、どの商業施設に行ってもマジか?!と我が目を疑うほど同じテナントが並んでいるので正直ゲンナリしてくる。
どこに行ってもセレクトショップ祭り⁉︎
さて、どのファッションビルでも会えるいつものメンバーをご紹介していこう。国内セレクトショップではビームス、ユナイテッドアローズ、シップス、アーバンリサーチ、トゥモローランド、ナノ・ユニバース、ベイクルーズグループ(イエナ/ジャーナル・スタンダード/エディフィス/ドゥーズィーエムクラス)、パル(チャオパニック/ドローイングナンバーズ)。お洒落ファミリーが集うちょっとイケテル施設にはロンハーマン&カフェがあったりする。
SPAだとユニクロ、ポイント、無印良品あたり。海外SPAならGAP、ZARA、H&M、American Eagle。若者ブランドならMOUSSY、SLY、WEGO、INGNI。ジュングループ、サザビーリーグなども商業施設の常連メンバーだ。「ああ、いつもの顔ぶれね」と思っていただけるだろう。んん…いい加減飽き飽きする。
しかし裏を返せば、都心の商業施設に出店できる体力がある企業はファッション分野では「お馴染みのメンバー」しかいないということも言える。坪単価7〜8万の家賃で4年契約、毎年高い家賃を払い続けるとなれば個人デザイナーには到底無理な話。一握りの財力ある企業だけがテナント出店するとなれば、ファッションビルの画一化は仕方がないか。
ルミネは何故、新鮮か
そんな中、キラリと光っているのがルミネの存在だ。頻繁に行なわれるショップ入れ替え、販売員の徹底した教育、常に新しいものを取り入れるフットワークの良さには脱帽だ。春には新宿南口にルミネが手掛ける新しい商業施設NEWoMan(ニュウマン)がオープンするが、出店するショップは約8割が新宿エリア初登場。アパレルではメゾンキツネ、シャネルのコスメティックやフレグランスを自由に体験できる新スタイルのビューティバーがオープン予定。ジュンからは新業態のレストランが3店舗もオープンする。
開発チームのメンバーは市場調査を連日行ない常にフレッシュなテナントを血眼で探している。ラグジュアリーブランドをも口説き落とし冒険し続けるフロンティアスピリットに拍手を送ると同時に、どこまで新しさを出せるか注視したい。
デパート界の王様、伊勢丹新宿店はラグジュアリー路線まっしぐら。ISETANというブランドを世界に掲げて名だたるラグジュアリーブランドをもひれ伏せるパワーをお持ちの様子だ。最近ではルイ・ヴィトン初のメンズポップアップストアやエルメスの期間限定ブティックが話題になった。プラダの期間限定ストアでは、過去のコレクションからの復刻アイテムなどを伊勢丹のためだけに作らせて取り揃えた商品が並んだ。旬のデザイナーズブランドも全て揃うので、高くていいものなら伊勢丹に行けば間違いないというイメージが確立されている。
表参道のGYRE(ジャイル)も旬でユニークなテナント選びが秀逸で個性際立つ存在だ。シャネル、デルヴォー、アミ、ヴィズヴィム、ディアンドデパートメントプロジェクトとコムデギャルソンの共同ショップ、マルタン・マルジェラなど他とは違う店舗が並ぶ。商業施設ではないが、南青山のフロムファーストも熊本発のセレクトショップや白山陶器、noguchiのジュエリーなど通な店舗が続々入居してきた。銀座のドーバーストリートマーケットはモード好きが集う聖地として唯一無二の存在だ。小規模な商業施設では個性が光るところがチラホラ。
>NEXT>> 脱・画一化!その裏技とは?