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2015.11.16

vol.8 TOKYO TASTY
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百貨店の化粧品コーナーが今、賑わいをみせている。海外旅行客で日本の化粧品を“爆買い”している姿を多く見かけるようになった。女性だけでなく、男性も一緒にカウンター席に座って、化粧品を選ぶ時代。日本の化粧品のクオリティーの高さは群を抜いているし、「日本へ行ってきたよ〜」というパフォーマンスはとても高い、らしい。おみやげをあげるほうもいただくほうも、まさに“おいしい”アイテムだということを外国人観光客から聞いたことがある。
それにしてもこの爆買い、いつまで続くんだろう。この前お会いした化粧品ブランドの営業部長の方も同じようなことを話していたっけ。ある日突然、パタっと旅行者が来なくなり、在庫を抱えたメーカーが右往左往する……なんて想像するだけで怖いんですけど。

話の本筋に戻して……今日は“コフレ”についてお話を。先ほども話したとおり、年末に向けて賑わいをみせるのはクリスマス商戦に向けたコフレが次々と発売されているから。
フランス語で宝石などを入れる「小箱」を意味するのだが、宝石に見立てた化粧品を小箱やポーチにいっぱい詰め込んで発売する、この時期ならではの販売戦略なのだ(販売戦略なんて、何て色気のない表現なんだと怒られそう……)。
コフレの始まりはいつからか考えてみたけど、……私が学生の頃にはエスティ ローダーの練り香水コレクションはすでにあった(私には買えるはずもないアイテムだった)けど、このシーズンになると化粧品フロアが活気づいて独特の雰囲気が生まれる感じが、何とも好きだった。

コフレは「自分へのご褒美」


外資系化粧品ブランドのPRをしていた仲良しのマダムは「この時期になると海外でもコフレを含むクリスマスコレクションの発売をするけど、日本のコフレとはちょっと違うかもね。日本は“自分へのご褒美”で買い求める女性が多いでしょ」と言う。

その人気を支えているのがコフレのコラボレーション企画。人気のファッションブランドのポーチやバッグとコスメがセットになっているのだが、このコラボ相手次第で売れ行きが大きく左右するのだ。今でこそ「事前予約」制度があるから混乱はないけど、それこそバブル時代は、出勤前のOLが百貨店に立ち寄って購入するという社会現象が起こったほど。人気ブランドのコフレの発売日ともなれば、ものすごい長蛇の列。「●●百貨店はフロアを1周したらしい」「▲▲百貨店は100人待ち」などという光景は珍しくなかった。
個人的には並んで買おうと思わないけど「ボーナスも出る時期だし、いつもより少し贅沢してもいいかな」っていう心理も働くのだろう。1年間頑張った“自分へのご褒美”なら安いものだ。私の友人も「そういう流行りやイベントに乗っかることも楽しいんだよね。人気ブランドのコフレを持っていることが、自慢だったりね」と。

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paul&joe1 ときにはミステリアスな演出で驚かせてみては? ネコ好きにはたまらないコフレ。ポール & ジョー メイクアップ コレクション 2015 全2種 ¥4,800(税抜き)/ポール & ジョー ボーテ


一方で、コフレにも実用性を求める声があるのも事実。たとえば、いつも使っているブランドの化粧水の現品価格で乳液と今年発売されたばかりのクリームがついてくるとか、アイシャドウにグロス、マスカラ、チークまでセットになったお得セットもそう。完売率がトップクラスの「ルナソル」コフレは、ブラウンとピンクをポイントにした今年のメイクセットももう完売している店舗があるとか。「RMK」のコフレも見逃せない。幅広い年齡層で“赤ネイル”が流行っている中、ツボを押さえたラインナップを用意するところなど、女ゴコロをくすぐる“さすが”の一言。

s_top_rmk RMK クリスマスキット2015 ¥8,300(税抜き)/RMK Division

“いつかは使いたいな〜”と思っているブランドのコフレが一通り試せるキットなど「儲け度外視」でつくっているブランドも多い。なぜなら、コフレを機にブランドのスイッチだってなくもない話だから。美容感度がとくに高いわけじゃない私の友人も、「百貨店から送られてくるカタログには必ず目を通し、コフレを吟味する」というから不思議。

一流ブランドのコフレなら“アリ”


「どうせ買うならおいしくなくちゃ!」というのが女性の本音。「どんなデザインなのか」「何の商品がどれくらい入っているのか」などチェック項目はたくさんあるけど、好きなブランドであること、それも一流ブランドのコフレなら尚良し、というのは今も昔も変わらない。クロエやミュウミュウの洋服やバッグは高いけど、香水やボディクリームなら自分のお小遣いで買えるし……。先ほどの外国人旅行客ではないけれど、一流ブランドのプレゼントは“絶対的な安定感がある”という理由も納得がいく。

chloe クロエのフレグランスは年齢層を問わず人気。オリジナルボックスに収めた限定品。クロエ オード トワレ ホリデイセット ’15 ¥13,500(税抜き)/コティ・プレステージ・ジャパン

コフレのクオリティーも年々高くなっている。ミニボトルでも現品さながらのデザイン仕様だし、ポーチやギフトBOX、パッケージなどこの時期にしか買えない“限定”デザインともなれば、お財布のひもはゆるむ一方。私たちはまんまとその戦略に乗っかってしまうのだけど(笑)、それでも「ま、いっか」と思えてしまう。
だから、ギフトに“ちょうどいい”アイテムなのだ。選ぶワクワク感と華やかさは自分へのご褒美にうってつけ。
気になる彼女にプレゼントを用意したいけど「重すぎるプレゼントはちょっと……」という男性諸君にもおすすめしたい。使うか使わないかは別として、コフレをもらって「イヤ」だなんて言う人、まずいないんじゃないかと思う。
これを読み終え、「買いに行こう」と思っている男性諸君! コフレは数量限定発売なので、お早めに!

(Text: Mayumi Hasegawa)

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