2016.01.22
過去に付き合っていた異性や、付き合うまでに至らなかったとしても、何らかの甘い関係にあった異性について、「いい女だったよなぁ」とか「いい男だったのになぁ」と語る男女にお酒の席で会うことがある。
その度に、彼らが言うところのいい女やいい男の“いい”とは一体何を意味しているのだろうと聞きながら、頭の中でぐるぐると考えるのだが、女性の場合、それは、「彼がどれだけ自分を大切にしてくれたか」という優しさや思いやりといった感情的な部分であることが多い。一方、男性の方は、「何が良かったの？」といざ突っ込んで聞くと、「顔がタイプだったから」とか「胸が大きかったから」などと、茶化してごまかすことが大半だ。
たしかにそれらの表層的なことも、本人にとってはその女性を“いい女”とするひとつの要素かもしれないが、およそ本意ではないだろう。女性の話も、よく聞いてみたら、つまるところ、彼の“肩書き”や“財布”が何より好きだったのではないかと思えてならないケースも数多い。ズルい、下世話だという意見もあるだろうが、恋愛を損得勘定で図ったことなどないに等しい人間からすると、恋の計算ができるなんて、ただただ凄いのひと言である。
今回は、男と女の本音と建前を探るべく、“男女関係におけるコストパフォーマンス”をテーマに、同マガジン『TOKYO LOVE』号の「5000人の女の子たちが教えてくれたこと ～ある男の合コン手記～」で、爆発的ヒットを飛ばした恋愛の名手・Tokyo Psycho氏にお話を伺った。初っぱなから、乱入参加者もあり。恋愛のコスパ感覚に長けた男とコスパ感覚およそゼロの女の対談、さっそくご覧いただきたい。
＜ ROUND1 ＞
男女間のコストパフォーマンスとは何なのか？
-大人になればなるほど、男はお金より時間で尺度を図る生き物-
筆者：単刀直入にお聞かせください。いち男性であるPsychoさんにとって、男女間のコスパとは何なのでしょうか？
Tokyo Psycho氏（以下、Psycho）：女の子と出会って、口説いて、“人生の果実”を得られるかどうか。そこまでの過程がコスパの範疇であり、パフォーマンスですね。男の哀しい性ですが、それに尽きると思います。
筆者：あの、人生の果実とは…、もしかして？
Psycho：そう、セックスです。おそらく今日は頻発すると思うので、あえてこの言い方で行きたいなと。
筆者：なるほど、了解しました。
Psycho：男目線で言うと、男女間のコストパフォーマンスは、“パフォーマンス（人生の果実）÷コスト（果実を得るまでに費やしたお金）”です。ただ、このコストは年齢によって違ってくるもので、若い時は、「時間はたくさんあるけど、お金がない」っていう人が一般的には多い。僕自身も20～30代の頃は、お金で尺度を図っていた時期がありましたね。でも、これが40を過ぎると、お金ではなく時間になってくるんです。
筆者：一番あぶらの乗っている時ですし、忙しい方が多い世代ですよね。
Psycho：そう、時間のない人が多いから、そのない時間をいかに割くかということが基準になってくるんです。短い時間で人生の果実を得られた方が、よりコスパが高いということ。果実は生モノだから、“収穫”のタイミングが大切なんです。
筆者：つまりは、手っ取り早い方がいいということですか？
Psycho：どんな女性かにも依りますね。SNSの投稿を見れば分かると思いますが、女の子って、基本的に“自分大好き”ですし、若ければ若いほど、自慢したい生き物です。投稿内容しかり、女の子の置かれている環境をよく観察したうえで、デートに連れて行く店を選ぶと、より収穫の歓びがあると思うんですが、最近はこのことを分かっていない男性がけっこう多いですね。
筆者：どういう意味ですか？
Psycho：遊んでいる男ほど、二十歳そこそこの、地味で清純そうな女の子に行きたがる傾向にありますが、例えば、良かれと思ってジョエル・ロブションのディナーに連れて行ったとしても、その子の周りにその価値が分かる子たちがいない可能性も無きにしもあらず、です。
となると、女の子としては、自慢のしようがないですし、男側としても、1人3,000～4,000円のリーズナブルなイタリアンレストランで済ませられるなら、その方がいいわけですよね。結果として、人生の果実を得られるとしたら、どちらの方がコスパが高いかは、火を見るより明らか。逆に、「私、ロブションに連れて行ってもらったの！」と言って、周りが「すごいじゃん！」っていうタイプの女の子だったら、安イタリアンではダメですね。相手によって、見極めることが大切です。
＜ここで、同誌編集長、副編集長が乱入参加…＞
-男を値踏みしないしない女など、この世に存在しない！？-
編集長：逆に、女子側から見たコスパの良い男というのはどんな男なの？
筆者：コスパが良いとかわるいとか、まず、そんな風に考えたことがないですね。例えば、お金持ちで、安定した仕事に就いていて、優しくて…全員ではないでしょうが、一般的に多くの女性にとって、望ましい男性といいましょうか、そういう人とお付き合いしたこともないですし。
編集長：あれ？この対談、人選ミスか？（笑）
筆者：何様だ！と思われるかもしれませんが、そういう方にアプローチされても、パーフェクトすぎて引いてしまうんです。今Psychoさんが言ったように、異性との距離を縮めるうえで、お金や時間で割るという考えを持ったこともなければ、尺度を図るガイドラインもないです。幼稚かもしれませんが、恋愛について、損得勘定の意識は果てしなくゼロに近いと思います。
Psycho：それは、セオリー外だな！（笑）神の目線でいうと、ひょっとしたらその男の子供を産むかもしれないんだし、女の子が男を値踏みするのは当たり前。ボブ・マーリーの“泣かない女はいない～”と一緒で、計算しない女の子はいない。僕の経験からは、これが普通ですね。
筆者：ただ、好き合った相手が、たまたまとても裕福な人だったということはあります。高価な指輪や洋服とか、たくさんプレゼントをもらって、最初のうちは嬉しかったですし、周りからも「愛されてるじゃん！」などと言われていましたが、自分が求めているのは物質的なモノではなくて。
やがて、同棲生活が始まりましたが、彼の意向でほぼ丸抱えだったんですね。彼氏とはいえ、人様のお金で生活している自分がだんだん無価値に思えてきました。微々たる額かもしれませんが、自分も働いて稼いでいるのに、何をやってるんだろうと。
コスパという面では高かったのかもしれませんが、束縛が増えたり、結果として、私自身は幸せではなかったですね。幸せ度とコスパは反比例するのでしょうか？対談と銘打っていますが、今日は、恋愛経験豊富なPsychoさんに色々伝授していただきたいという気持ちで参りました。
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