vol.6_title_1X (divorce)  for all

2015.06.19

vol.6 TOKYO LOVE
1X_topimage

バツは女の勲章。そういった知人がいたが、男に一度でも本気で「コイツと結婚したい!」と思わせたというだけで、女としておおいに価値があるようだ。バツはモテの証、何度でも結婚できる可能性があるというのが彼女の持論。はたしてそれは真実か否か。

そして、その独自の見解からすれば、自身は誇るべき勲章持ちの女である。だが、残念なことにちっともモテない。勲章を受章したのはおよそ2年前だが、現在に至るまで、恋人どころか、アプローチすらされない。嘘偽り謙遜なく、マジでモテないのだ。そこで、世のバツ1の皆さんはモテているのかを調査すべく、座談会を開いてみた。(以下、仮名)


■中山 直樹(40代♂)
結婚1年で離婚。その後11年間独身。子なし。
事実婚だったため、戸籍はキレイ。

■飯田 敬(40代♂)
20代でデキ婚。昨年秋に17年間の結婚生活に終止符を打つ。
中学生の子あり。

■木下 さやか(30代♀)
2年間の同棲を経て入籍。結婚式をドタキャンし、9カ月で結婚生活終了。
子なし。

■筆者(30代♀)
交際2カ月でデキ婚。結婚1年4カ月(うち7カ月は別居)で離婚。
2歳の子持ち。


早速、バツ1はモテると思う?



木下:離婚したのは8年くらい前なんですけど、その直後はモテましたよ。2まわり上のオジさまに即プロポーズされました。弱っているオーラが毛穴から出ているんですかね。元ダンナがミュージシャンだったんですが、別のバンドの年下ドラマーにも口説かれました。

中山:僕は離婚してから3年間は死んでいましたね。離婚して、仕事を辞め、家を売り払い、離島で半年間暮らしました。泳ぎもせず、友達も作らず。まさにセンチメンタル・ジャーニーでした。それからは、4、5人の方とお付き合いした感じかな。

筆者:飯田さんは離婚して半年ですが心境は??

飯田:こんないいヤツいないと思うんですけどね…。浮気もしないし、ギャンブルもしないし。男は所詮弱いんで、いざ離婚となると腰が引けるんですよ。「いろいろあったけど、オレは全部水に流すよ」って最後に言ったんですが、ダメでしたね…。

木下:「弱い」って自分で言えちゃうところがカッコイイと思いますよ!(←必死のフォロー)

今、付き合っている人はいる?



中山:1年ぐらい一緒にいる人はいますね。6歳年下で子持ちです。昔からの知り合いで、何となくそういう関係になりました。

飯田:僕も高校の同級生ですね。

一同:もう彼女いるんかいっ!!ww

飯田:弱ってるといろいろあるんですよ。でも、不思議なことに前の奥さんとできなかったことが、今の彼女とはできるんです。バツ1同士はうまくいくと聞いたことがあるけど、まさにそう。映画を観ても面白いと思うところが一緒だったり、セックスも最高にいいんですよ。前の奥さんとはセックスレスでしたからね。

中山:離婚の原因第1位は絶対にセックスレスだよね。

木下:私は元ダンナがセックスに対しては病的なところがあったんで、別れる前日までセックスしてましたよ。もう猫かぶる年でもないんではっきり言いますが、男と女はセックスしてナンボです。手足の自由が効かない状態でのセックスは、男らしさをより感じて興奮しちゃいますね。

中山:僕は巻き髪とか見た目がエレガントなのに足が超臭いって人に興奮するw

飯田:それは若干ヘンタイの域に達していますが、においは重要って言いますよね。元嫁のことなんですが、前は「においがいい」って言ってくれていたのに、別れるときは「くさい」って言われましたよ。

元ダンナ、元嫁との関係は?



筆者:元ダンナとか元嫁と連絡は取っていますか? そこで復縁みたいなのはない?

木下:連絡は取ってますよ。いまだに誕生日に一番にメールくれます。「キミは今幸せか? あ、オレは野暮だね。聞かなくても、きっと幸せだよね」と意味不明なメッセージなので、若干対応に困りますが…。

中山:僕も数年に一度は連絡ありますね。別れて6、7年経った頃に「やり直さない?」って本気で言われました。でも、もうないなと。

飯田:子供がいれば、養育費だので連絡取らざるを得ないですからね。メールも敬語で気まずい感じですよ…。

中山:敬語プレイいいじゃん! 同い年なのに敬語で、セックスのときにちょっとタメ口になる感じとかさ。

筆者:さすがヘンタイですねw

で、結局バツ1はモテるの?



筆者:私から見れば、皆さんきちんとパートナーがいてモテまくっているように思いますが。

一同:全然モテない!!

木下:そもそも、彼氏・彼女って何なのって感じですよね。コンスタントにセックスする相手はいますけど、それが付き合うとか再婚とかと直結しているわけではない。

中山:男は女性にして良かったことを次で出していくから、バツが付くというか、結婚という大きな恋愛を経験している人のほうが、女性を喜ばすことができるのかも。グレイテスト・ヒッツ理論と一緒だよ。

筆者:グレイテスト・ヒッツ理論?

中山:過去に評価の良かったテクニックを集結させて一夜で披露する。50過ぎの男とのセックスは最高らしいよ。

筆者:それはさておき、私はどうしたらモテますか?

飯田:市場に出てないだけでしょ。市場に出れば絶対モテる!

中山:そもそも、結婚で人生なんて180度変わらない。結婚とか形式にこだわらず毎日楽しく遊んだほうがいいよ。

木下:私も離婚して毎日楽しいです。バツ1はハッピーって結論が出ましたね。

こうして、バツ1の座談会(ただの飲み会)は深夜にまで及び、飲み過ぎて爆睡した者、記憶を失った者とさまざま結果に終わった。離婚は結婚の何倍もの労力がかかり、直後は誰もがどん底まで落ち込む。しかし、そのどん底から這い上がったパワーとポジティブさがあるから、バツ1は魅力的に見えるのかも。バツ1までは何となく許容される風潮があるこのご時世、一度ぐらい勲章を貰ってみてはどうだろうか? いや、いらないかw

(Text: Ayako Takahashi-TPDL)
(Illustration: 大沢 純子)

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