2015.07.28
独身女性率の高い編集部と筆者の周り。アラフォーにもなると同年代異性で会う人といえば既婚者が多く、「結婚」という契約が現実味を帯びなくなっていくことをひしひしと感じる。出会いを求めるにも、アラフォーの身でどう発展させて良いのか皆目見当もつかない。TOKYO LOVEの多様な形の一つとして、最後の悪あがきとばかりに、慎重派”アラフォー”女性による「婚活」やってみた 第1弾は、
「神頼み婚活」
と言うのも筆者の周りのアラフォー仲間で、どちらかというと恋愛より仕事バリバリの女友達がバタバタとボーイフレンドを作り始めたという事実に直面。更に10年以上婚姻関係にありつつも子宝に恵まれていなかったカップルにも待望の第一子を授かった。この友人たちに共通していたことが「戸隠神社へのお参り」だったから。
日帰りでいけないこともないが、せっかくなので心願成就した友人たちと同じルートで行ってみることにした。
いざ、戸隠神社へ
仕事を少し早めに切り上げ、お弁当を買って新幹線に乗車。北陸新幹線が通ったいま、上野駅からたった最短2駅で長野駅へ到着する。レンタカーを借りて戸隠神社中社にある旅館に向かった。ついた宿屋は明らかに古い佇まいであるにもかかわらず、手入れが隅まで行き届いていて、サッシ一つ見ても埃が全くない。食堂へ降りていくと山の幸、海の幸、さまざまな恵みが美しく盛り付けられていて、どれもこれも舌鼓を打つ美味しさである。そして満足感に浸りつつ部屋に帰ると既に布団が綺麗に敷かれているという幸せ。その夜はゆっくりとして翌日に備えた。
-戸隠神社の由来-
戸隠神社とは5つの神社からなっており、日本古来の神話「天照大神(あまてらすおおみかみ)が、弟である素戔嗚尊(すさのおのみこと)が何度となく非行を行ったことに落胆し、天岩戸(あまのいわと)に隠れたため、この世から光が消え悪神がはびこった。その事態から救い光を取り戻した」とされる神々が祀られている。
-宝光社-
翌朝早めに宿を後にして、まず「宝光社(ほうこうしゃ)」に向かうと、270段以上ある急な階段がまず私たちを出迎える。(日頃、都会で階段はエスカレーターという産物に甘えている筆者には、この階段はかなりの修行(汗)) 登ってみるとそこに現れた荘厳な社殿に身が引き締まる。この神社は学問や裁縫の神・安産の神・女性や子供の守り神として祀られている。
-火之御子社-
次に向かったのは、「火之御子社(ひのみこしゃ)」。車の駐車スペースも2台ほどで、小さい社殿ながらも気持ちの良い雰囲気に満ち溢れている。この神社は天照大神が隠れた天岩戸の前で面白おかしく踊って天照大神を誘い出すきっかけをつくったとされる女神などが祀られていると言われている。「舞楽芸能、縁結び、また火防の神」とされ、昔から多くの芸事の大成を願う人々が多く参拝に訪れるそう。
来ました「縁結びの神」!
さらに、奥には樹齢およそ500年の「夫婦杉(めおとすぎ)」とも呼ばれる、一株から2つの巨木が寄り添うように出ている杉がある。
縁結びの神の地に夫婦杉。その偶然というには出来すぎている組み合わせに、思わず幸せを願わずにいられない。
-中社-
次は「戸隠神社」の中で最も大きい「中社(ちゅうしゃ)」へ。
ここには朝9時前にもかかわらず、既に多くの人が参拝に訪れている。
天照大神が天岩戸に隠れた際、岩戸を開くきっかけになる岩戸神楽を創案したとされ、知恵・アイデアの神様とされている。境内奥には小さな滝があり、マイナスイオンと神社の荘厳な雰囲気とで浄化されていくよう。
-奥社 / 九頭竜社-
ここからはCMでも有名になった「戸隠神社」の象徴的な山道の奥に位置する「奥社(おくしゃ)」「九頭竜社(くずりゅうしゃ)」へ。車を奥社入り口に駐車し、そこから30分ほど歩いていく。
森の中にずっとずっと続く一本道。だが森の怖さは全くない。
神様がきっと住んでいるのだろうなと思わせるような気に満ち溢れている。
ちょうど目的地の中間地点くらいに「随神門(山門)」と呼ばれる赤い門があり、そこから先は樹齢400年とも言われる美しい杉並木が続く。4月でも雪が多く残る山道を歩いてきた奥にある「奥社」には天照大神が隠れた天岩戸をこじ開けた大力の神が祀られ、戸隠神社の御本社として開運、心願成就、五穀豊穣、スポーツ必勝などの神々が祀られている。
その「奥社」のすぐ隣にある「九頭竜神社」だけは、天照大神の神話の前より地神として鎮座し、水の神、雨乞いの神、虫歯の神、縁結びの神として言い伝えられている。
来ました「縁結びの神」再来!
4月に行った時には3mくらいの雪の下に埋もれて、お賽銭を入れられる50cm四方くらいの穴があるのみ。慎重に慎重にお賽銭箱目指して投げ入れる。
なんだか、お賽銭箱にきっちりいれないと願いがかなわないような気分になってしまうのが不思議。
写真左が4月の、右が6月の九頭竜社
「戸隠神社」は少し前にとあるCMで脚光をあびるようになったが、そもそも日本古来の神話が詰まった由緒正しい神社である。こんなに多くの人が訪れようとも、パワーを失うことのない、そのとてつもない巨大なパワーに包み込まれるような気持ちにしてくれる場所である。
そんな中で段々と「コンカツ」とか「縁結び!」言っている自分がちっぽけで、恥ずかしくなってくるものだ。4社全て回ることによって願いが叶うと聞いてはいたが、「縁結び」を願うというよりもこのパワーに包み込まれることによって日頃のいざこざが小さく思え、心にゆとりがでるような、そんな地であると思った。
そういうゆとりが、周りの友人たちの開運につながったのかもしれない。
また「戸隠」まで行ったらもう一つ有名な「戸隠そば」は外せない。中社近くにある有名蕎麦屋は広い店内にも関わらず、多くの人が訪れピーク時には待たないと入れない。だが待ってでも食べる価値のある今まで食べた蕎麦の中でベスト1と自信をもって言える蕎麦だった。
[「神頼み婚活」の心得 ]
* 参道の端の方を歩こう
真ん中は神様が通る道だから開けておかねばならないそうだ。
* 神社に入る時、および出る時には鳥居の前では一礼
神様の敷地に入るのだから、礼儀として。
* 出会いの場に繰り出そう
いくら神様にお願いしてもそういう場に出なければ叶えようもない。
(宝くじを買わずに当選を願っているようなもの)
* 願いが叶ったら、お礼参りに行こう
友人でもお願いするばかりする人は好かれないはず。きちんとお参りした寺院に感謝を伝えよう。
東京都内近郊の「婚活」を願う者たちに著名な神社
️東京大神宮 (東京 /飯田橋)
言わずもがな縁結びで有名な神社。この神社をお参りしたあとにご縁があったという噂がネット上などでも多く飛び交っており、東京近郊及び全国的にも女子で知らない人は少ないだろう。初詣には飯田橋駅のはるか向こうまで長蛇の列ができ、3時間待ちは当たり前。だが、ここは参拝者が多すぎて、神様も全員は見ていられないように思えてしまう(もちろん個人的感想)。
http://www.tokyodaijingu.or.jp/
️今戸神社 (東京 / 浅草)
招き猫発祥の地とされ、招き猫がたくさん鎮座している。また縁結びとしても有名で、「縁結び会」と呼ばれる、神社主催のお見合いパーティのような会が随時開かれている。
そういえば、この神社をお参りした友人が、少ししてお見合いし結婚に至ったことを思い出した。
http://imadojinja1063.crayonsite.net/
️縁結び大社 (千葉 / 東金)
千葉とはいえ、交通の便があまり良くないせいか、休日でも人影まばら。あまり大きいとは言えない神社敷地内に「恋の願かけ巡り」というルートが存在し、8つの神様を回って参拝する仕組みになっている。まず悪縁を断ち切り、良縁の神に挨拶、良縁を開いて、そのご縁を上昇させる。最後に「愛染明王神」とよばれる主祭神にお参りというルート。8つ全てお参りした人のみ購入できるお守りがある。
ちなみに同じように「ご利益めぐり」、「全七福神巡り」というものもある。
なにやら神様のテーマパーク的な感想が一番合うように思われる。
http://www.enmusubi.cc/index.html
番外
️出雲大社 (島根 / 出雲)
東京からは遠く離れるが、「縁結びの神」の総本山的な神社。自然豊かなその土地は昔から神様と共に生きてきたと思わせるような雰囲気にまとわれている。ちなみにこの参道入口の大鳥居前にあるスターバックスはその地に馴染むような和の装いで居心地よい。参拝後のゆっくりした時間を、神社の方に向いたベンチで過ごすのがまた良い。
http://www.izumooyashiro.or.jp/
ところでその後の恩恵は?
特に「戸隠神社」はその自然も含めた土地のパワーに癒され、心のゆとりが出て、少々女性として意識するようになったと思う。今のところの効果としては「社長に寿司(ランチだけど..)をおごってもらった」「女性の知人に綺麗になった」と言われた、といったところ。
その後の展開はまだない。
のんびりやの筆者に合わせて、神様ものんびり構えているのだろう、と信じる。
だが絶大な効果が出ている友人がすぐ近くにいた!
一緒に「戸隠神社」めぐりをした女性は、戸隠から戻ってきた途端に異性からとめどなくお誘いを受けたという。付き合うまでには至っていないが、もともと「戸隠神社」は豊作の神様。男性の豊作という恩恵をたっぷりうけたようだ。
パワーを受け取り、そのパワーをどう使うか、
そこから先に進めるかどうかはあなた次第だ!
*参考サイト:
戸隠神社 http://www.togakushi-jinja.jp/
宝光社宿望組合 http://www.houkousha.com