2015.06.23
恋には”本能”がよく効く?
以前、理系女子の書籍を作るにあたり、現役の理系女子大生にたくさんのインタビューをした。その中で、特に興味深かったのが“バクテリア交換”の話。動物学でキスによるバクテリア交換は免疫力がアップするという説や、握手した時も手の平のバクテリア交換があるのだとか。「握手は簡単に相性判断ができるんですよ!」と言っていた女子は、握った時の湿り気具合や感触がしっくりくる人は相性が良いのだという。確かに、ドラマや映画も含めて恋愛の初歩的行動は“手を繋ぐ”ってところからスタートするような気がしないでもない。
今回は、こうした目に見えない動物学的&本能的な視点から、夏シーズンにぴったりの匂いと恋愛にまつわるあれこれを書いてみようと思う。
匂いは恋のセンサー!?
昨今、シーズンになると天気予報と同様に扱われている花粉症の情報。それほどに、多くの人が悩まされているメジャーなアレルギー性鼻炎だ。これに重ねてPM2.5や黄砂、インフルエンザなどが人の嗅覚の機能に異常を起こしたり障害を及ぼしているという話がある。これに加えて、ある専門家の説によると、消臭スプレーやフレグランス効果のある洗剤などが多くある現代では、嗅覚の低下や障害によって匂いの判別が困難になっている人も少なくないのだとか。人をはじめ多くの動物には鼻孔があり、匂いを嗅ぎ分けることができる。これは、ある種のセンサー的な役割を担う大事な感覚機能で、匂いによって危険や危機感を察したり、その逆で安堵や安心を感じることもあるのだというから興味大だ。
では、この嗅覚問題は恋愛とどう関係があるのか?
スイス・ベルン大学のクラウス・ウィトキンス博士のTシャツ実験によれば、女性は嗅覚によって遺伝子レベルでベストパートナーを見つけることを証明している。女性たちはMHC(Major Histocompatibility Complex)という免疫をつかさどる遺伝子の値が自分から遠い男性のTシャツほど好ましい匂いと回答したそう。
また、興味深いことに、女性は妊娠し子供が生まれると自分と近い遺伝子の匂いを好む傾向があるのだとか。これは、子供を守るための本能的な働きが要因と言われている。
さらに、好きな男性の体臭には、女性の精神を落ち着かせる作用があるという説も。好きな男性にハグされたり、腕枕をされた時に感じる落ち着きは、首筋や耳の後ろ、脇など体臭が強く出る部位が近いことが起因しているのかも。冒頭でふれた握手の触覚のように、嗅覚でも相性判断ができると考えたら嗅覚の機能低下はパートナー選びや判断力を鈍らせる可能性もあるので注意したいところだ。
好きな人・好みの匂いは、恋愛スタートのきっかけや性的な興奮材料になるとも言われているので、パートナー選びや恋愛を楽しむために役立ててみてはいかがだろう。
理系女子あるある (TWJ books)
みやーん (著)
理系女子大生コミュニティ凛 (監修)
村澤綾香 (イラスト)