2017.04.21
私はハイヒールを2年間ほどはいていない。
何故なら歩きにくく、足が痛くなる。特に東京は坂が多く、歩けばハマるし脱げてしまう。満員電車に立ちっぱなしで通勤30分、なんて当たり前の世界だ。とか言いつつ、一番の理由は失恋してぼんやりと歩きながら帰っていた時、途中で足爪が割れていたらしく気づいた時にはハイヒールは血みどろになっていた。いくらハイヒールを履いて女ぶっていても、振られるときは振られるのだ。そんな惨めな経験から、「私はもうハイヒールをはかない。」と心に決めたのだった。
最近はぺったんこのパンプスやローシューズなど可愛いデザインがあるので、全く困っていないし〜、と言いながら、実はあの時の様々な痛みを思い出すのが辛いのだ。
一方、編集部のMお姉様というモードでハイセンスなお方は、ハイヒールどころか、いつもピンヒールを履いている。編集部の打ち合わせ場所は坂の上なのに、平気でピンヒールだ。
なぜなのかと聞いてみると、「それは東京で働く=常時臨戦態勢だから」とキッパリ言われた。ファッション業界でずっと戦うワーカーながらも家庭を持つM姉様の靴は、高級ハイブランドをはきこなしてカツカツ歩く。
「見た目が良い靴をはいて、凛として歩きたいんだよね〜。」
しかし、ハイヒールでの失敗談はたくさんあるという。
例えば購入したばかりのジュゼッペ・ザノッティのパンプスを下ろしたその日、出勤しようと原宿の東郷神社を歩いている最中、マンホールの穴にはまってしまい、ヒールごと根元から折れたらしい。
素晴らしい靴をはいて颯爽と家を出たのに、東京の穴に吸い取られるハイヒールたち。
そんなことを5回以上は繰り返したそうだが、それでもMお姉様はハイヒールをはく。
映画「ラ・ラ・ランド」でもヒロインはハイヒール。踊る時に、ぺったんこの靴にはきかえる。CMの北川景子はピンヒールにハマりながらも何食わぬ顔でパーティーを楽しむ姿が映し出されていた。
正直なところ、よくわからない私だった。なぜハイヒールが臨戦態勢なのか。ヒールを常用することの失敗例は数多くあるのに、なぜ履き続けるのか。
そんな「なぜ?」と自分のハイヒールトラウマを払拭すべく、Mお姉様にいただいた避けるべき東京の穴事情をお伺いし、実践してみた。