なぜ方言がモテるのか?全国の“かわいい方言”ベスト5 Lovely Dialect

2017.04.13

vol.17 LIVING IN TOKYO
なぜ方言がモテるのか?全国の“かわいい方言”ベスト5 Lovely Dialect

東京では、「方言女子合コン」というイベントが出てきている。「方言は田舎者の証し」としてひたむきに隠していた時代はさり、今や「方言がかわいい!」などと評価されているらしい。標準語しかしらない筆者の周りの人びとからも「方言があること自体がなんか羨ましい」などという声も上がるほどだ。標準語圏出身者ほど憧れる方言の魅力とはいったいなんなのだろうか。

上位は西に集中
「かわいいと思う方言ランキング」


1位 京都府
2位 福岡県 熊本県
4位 宮崎県
5位 広島県 高知県


昨年の調査結果を基に集計された「方言のかわいさが自慢できる」(ソニー生命保険「47都道府県別生活意識調査」)ランキングでは京都府が堂々の第1位、2位に福岡県、熊本県の九州勢が入り、次いで宮崎県、広島県と西の方言に軍配が上がる結果となった。筆者の周りでリサーチしてみると、九州男児のイメージの強い福岡、熊本の方言は、女性にとって男性の「○○たい」の語尾に守ってくれそうな力強さを感じるとのこと。男性からすれば「○○っちゃろ~」とこちらも語尾にかわいらしさを感じるらしい。が、ここで忠告しておきたい事実がある。福岡在住経験のある筆者の分析では、九州の女性は語尾のかわいらしさとは裏腹に、芯の強い女性が多い。亭主関白のイメージの強い九州だが、実は妻の手の中で踊っているだけという現実を他地域の人は知らないだけなのだ。黒木瞳、小雪、吉田羊彼女たちはみな福岡県出身、なんだかどの方も共通する凛とした佇まいを感じるのは、筆者だけではないはずだ。

方言のプロに魅力を聞く
「音の多さが他の関西弁を圧倒」


では、ランキング1位の京都弁はどうだろうか。なぜ、そこまで人を引き付ける魅力があるのか。NHKの朝ドラなどで方言指導も行う女優の林英世さんにお話をうかがった。

──林さんは大阪弁の方言指導をされていますが、京都弁は関西圏の方からみても特別な感じを受けられますか?

林さん:「○○どすえ~」なんかは花街の言葉で、市井の人は使いません。大阪弁(といっても、この中でもいくつかに分かれるのですが)がストレートな音だとすると、京都弁はものすごく音が多いというのはよく言われています。「○○してはる」という時も、大阪弁はそのままの拍子で「○○してはる」と直線的な音なのですが、これが京都弁になると「○○してぇはるー」と、文字と文字の間にも音が入り、音と音の間に間が入るイメージです。

京都弁の発達には、京都という土地柄が大きく関係したという説があります。京の都は、平安京のあったエリアを指していましたが、このエリア内は公家の方も多く、身分格差社会の世の中でした。相手の顔色をうかがいながら話を進めることが多かったため、相手の気持ちを読み取るための時間が必要となり、音が増えて間をとる話し方になったという説があります。また、権力を持つ人が多かった分、自分の気持ちを正直に伝えるよりも、相手を見て物を話さなければならず、失礼にあたらない言い方を実践していった結果、今の京都弁のような言葉の文化が出来上がったという話もあります。 「京都は人を察する文化」と言われる所以でしょう。

──残念ながら、同じ関西圏なのに大阪弁はかわいくない方言ランキング*1で3位に入っているようですが

林さん:京都弁のようなはんなりさが大阪弁には感じられないのかもしれません。スパッと言いますから。大阪は言葉通りのことしか考えていないという良さもあるのですが、ここが裏目に出て、性格がきつそうに映るのかもしれません。でも、京都の文化を知らない人が京都の人とつき合うほうが難しいと思います。相手のことを思うがゆえにはっきりとは言わず、何でもオブラートに包んで発言するからです。

*1かわいくない方言ランキング
1位 青森県
2位 沖縄県
3位 大阪府
4位 秋田県
5位 東京都
(gooランキング編集部調べ)

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