遺跡発掘、PV出演、恋人のフリ… だから東京はおもしろい 「謎の仕事」紹介します Weird Jobs

vol.17 LIVING IN TOKYO
遺跡発掘、PV出演、恋人のフリ… だから東京はおもしろい 「謎の仕事」紹介します Weird Jobs

もしあなたが独身で、(たっぷり親から仕送りなどしてもらわない限り)東京で自活していくには仕事が必要だ。ただし雇用形態にこだわらなければ、何かしらの仕事に就ける可能性は高い。東京には個性的な人やモノ・情報が密集しているから、仕事の数も多いし、内容もバラエティに富んでいるのだ。

筆者も高校生の頃から今までで、スーパーのレジ打ちから洋服屋の店員、ベビーシッター、新聞の勧誘、キャンペーンガールやコンパニオンなど、様々なバイトの経験がある。新商品モニターのような、いわゆる“とっぱらい”のバイトをしたこともあるが、これは特殊なルートからしか依頼されない“オイシイ”バイト(2時間で謝礼7000円程)だった。このように、東京には思いもよらないユニークな仕事やバイトがゴロゴロ転がっている。そこで、人生経験豊富なTOKYOWISE編集部員から、面白いバイトの経験エピソードを集めてみた。

編集部N:結婚式友人代行(一回10000円〜)
オイシイ度 ★★★★☆星4つ


ある日、職業がコロコロと変わる友人に誘われ、新婦側の友人代行として見知らぬ人の結婚式に参加することになった。仕事の内容は、あくまで参列者(ケースによっては新郎にも秘密)に他人とバレずに結婚式に出席し、不自然にならないよう飲み食いし、違和感のないように新婦に親しげに声をかけ、一緒に記念撮影をし、さらに定番の演目「花嫁から母への手紙」では泣くふりまでするというものである。また、「友人代表スピーチ」を担当するとプラス5000円(内容は自作)。コース料理に飲み放題、引き出物までもらえてラッキーだが、教会の人前式で神妙そうにふたりの幸福を祈っているご両親や親戚の方の顔を見ると騙しているようでいたたまれない気持ちになった。

編集部M:エキストラ(日給0円〜数万円)
オイシイ度 ★★☆☆☆ 星2つ


TV番組観覧者エキストラ

エキストラは、Mによると当時(90年代後半)、TV制作会社のスタッフが自ら原宿などの大通りでキャッチをして集めたりしていたが、彼女は某キー局員の知り合いに誘われ、ゴールデンタイム放送のバラエティ番組のエキストラに参加。日給制でギャラは安いが、ミーハーでタレントや著名人に会いたい人にとってはオイシイ。当時の制作予算が潤沢にあった頃は、深夜過ぎまで収録が及ぶとタク券(タクシーチケット)がもらえてラッキーだった。TV番組制作の舞台裏も見えるしね。(笑)

アーティストPV出演エキストラ

某アーティストのPVに出演してくれるエキストラ(100人程度)が専門学校で公募され、友人と一緒にノリで参加。当日は早朝から東京の外れのハウススタジオに集合し、撮影用に設置されたステージでアーティストが演奏している間、盛り上げ役のファンを演じること数時間。撮影中、死ぬほど同じ曲を聞かされて、ノッてなければいけないので相当の体力を必要とする。そのアーティストの本物のファンならばライブが生で聞け、その上バイト代までもらえるなんてラッキー!と思われるが、募集の時点ではアーティストの名前は明かされず、行ってみないとわからない当たりくじ的なバイトでもある。

編集部S:遺跡発掘のバイト(日給8000円程) 
オイシイ度 ★☆☆☆☆ 星1つ


20年ほど前、JR西国分寺駅近くの国鉄跡地で縄文時代の遺跡発掘員のバイトが募集された。「ロマンのある仕事だ!」と、友人と一緒に盛り上がって応募し、女性ではあるものの、体育会系並のたくましさと情熱を買われてか?二人とも採用。小さなスコップとハケを使ってやるものだと思っていたが、実際はヘルメットをかぶって、軍手をして、角スコ持って、と土木作業員さながらの内容。早朝に集合し、ラジオ体操でウォーミングアップ。その後担当エリアに行き、大きなスコップでひたすら穴を掘っていくというもの。肝心の遺跡は、縄文土器や黒曜石の鏃(やじり)など、1日で数個〜多い時で10個ほど発掘できるので、最初は感動して「発見しましたー!」とまわりに逐一報告していたものの、数を重ねるにつれ感動も薄れてゆき、やがてひたすら流れ作業へ…。

遺跡発掘、PV出演、恋人のフリ… だから東京はおもしろい 「謎の仕事」紹介します Weird Jobs

ワイルドな土堀りチーム以外に、発掘された遺跡に付着している土を小さなスコップで取り除く中年女性が中心のチームや、その遺跡を組み立てていく知的な学術チームもあり、Sは兼ねてから学術チームへの異動を希望していた。その甲斐あってか晴れて異動の話も出たが、「あなただけずるい!」と友人からの嫉妬、また原因不明の体調不良(縄文土器の呪い!?)から、異動することなくこの現場を去った。今となっては貴重な体験をしたなぁと、良い思い出になっている。

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