東京駅、羽田空港、大田市場 うわさのガッツリ系を求めて 東京“朝食”物語 Power Morning

2017.03.02

vol.16 MY BOOM
東京駅、羽田空港、大田市場 うわさのガッツリ系を求めて 東京“朝食”物語

一日のはじまりは朝。専門家によれば、朝食を抜くと脳の働きが鈍るとさえ言われている。ところが、日本では20代男性で30%、女性で26%もの人が朝食を食べていないと答えている。

しかし、できる人ほど朝食を大切にしているのも事実。例えば、歌舞伎俳優12代目市川団十郎さんは、舞台のある朝にはミニステーキを食べていたという話もある。あのエネルギッシュな演技はこの朝食から生まれていたのだ。よい働きを長く続けるには朝食は欠かせないパワーの源だったのだろう。

そこで、今回は朝からエネルギッシュになれそうなガッツリ系朝食(=朝メシ)が食べられる店を紹介したい。

東京の玄関口は朝食の宝庫



出張で東京を訪れた人はぜひともトライしてほしい店がある。まずは陸の玄関口「東京駅」、朝7時30分オープンのつけ麺の名店「六厘舎(ろくりんしゃ)」には、朝限定の「朝つけめん」(630円)がある。

六厘舎(ろくりんしゃ) 八重洲地下中央口を出てすぐに広がる東京ラーメンストリート、朝から行列ができているのが「六厘舎」。
開店から10時までの限定で存在する「朝つけ麺」を目当てに人々が押し寄せる。

六厘舎といえば濃厚スープのつけ麺スタイルのパイオニア的存在として君臨する店なのだが、「朝つけめん」は魚介系のだしがしっかりときいているため、あっさりとした印象を与えてくれる。見た目はやや濃厚に見えるがゴテゴテ感はなく、濃厚スープが苦手だという人も食べられそうな和風味だ。昨年12月には「朝つけめん」専用の麺を導入した。この麺、レタス11個分の食物繊維がとれるというから便秘解消にも役立ちそう。さらに、糖質を15%カット、この情報を知っているのか店内は朝から女性のおひとりさま客の姿も目立つ。

六厘舎(ろくりんしゃ) 見た目に反して味はあっさり。チャーシューは奥にひっそりと隠れている。
平日の午前7時45分、運よくすぐに店内に入ることができた。食券を買い、待つこと5分、香り豊かな「朝つけめん」が運ばれてきた。もちろん私もおひとりさま。隣に続々と知らない客が入ってくる。スーツ姿のサラリーマンはもちろんのこと、東洋系や白人系の観光客と国際色も豊かな顔ぶれ、バックに流れる津軽三味線のBGMが日本の旅気分を盛り上げてくれていることだろう。

そんな中、隣に座った日本人男性客は朝から瓶ビールを2本注文、メンマをあてに飲みはじめ、2本目とともにつけ麺をオーダー。麺でカットされた糖質15%、この客はしっかり上乗せして摂取したというわけだ。

肝心の味のほうだが、もちろん大満足。太めのつけ麺のボリュームは女性には少し多いくらいだろうが、癖になるおいしさだ。

六厘舎
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅一番街B1F
東京ラーメンストリート内(東京駅構内)
営業時間:7:30~10:00(ラストオーダー 9:45)
11:00~23:00(ラストオーダー 22:30)
http://www.rokurinsha.com/

行列なしであの店の焼き肉が食べられる



さすが最高級A-5ランクの黒毛和牛、色味も抜群
つづいて、空の玄関口、羽田空港。国際線ターミナルに広がる江戸小路は早朝から開くお店も多い。そんな中、注目したのは恵比寿に本店を置く焼肉の人気店「チャンピオン」。本店は予約を取るのも難しいと言われるほどの人気だが、羽田空港店は並ぶことなく絶品の焼き肉を味わうことができるのだ。朝から肉を食べて元気を出したい方には特におすすめ。他店舗では休日のランチにしかない「焼肉御膳」(1950円)をここでは毎朝8時から堪能できる。

朝から焼き肉を食べる勇気ある人は少ないらしく、朝9時の店内はどの席も空いていた。開店は朝8時半、朝食にふさわしい「玉子スープセット」(700円)や「ビビンバセット」(800円)には目もくれず、おひとり様で注文したのはもちろん「焼肉御膳」。ありがたいことに、店内にはカウンター席もあり、ボッチ焼肉も気兼ねなく楽しむことができる。

テーブル席では憚れるボッチ焼肉もカウンターなら安心
肉のうまみ、柔らかさ、どれをとっても申し分のないおいしさ。肉を食べたくなったらわざわざ訪れたいと思える味わいだ。食事をしている間、ひっきりなしにやってきたのが持ち帰りを注文する人々。食事が有料のLCC利用者だろうか、弁当を買う人が多かった。


国内線利用者の場合は国際線ターミナル行の無料シャトルバスがある。ものの5分で到着するので、国際線ターミナルには他にも東京を代表する多くの朝食スポットが揃うので出張前にぜひチェックしてほしい。

焼肉チャンピオン 羽田空港国際線ターミナル店
住所:東京都大田区羽田空港2-6-5
羽田空港国際線旅客 ターミナルビル 4F 江戸小路
営業時間: 8:00〜23:00 (ラストオーダー 22:30)
http://www.yakiniku-champion.com/

侍が残したタレを使用の「うな丼」



朝食には十分な大きさの国産うなぎが鎮座する「うな丼」
何かと話題の築地市場だが、東京の市場は築地だけではない。平成元年に営業を開始した「大田市場」は魚介に限らず、野菜から花まで、あらゆる市場が集合した総合市場、実はここに明治維新の時代から続くめし屋がある。

「かんだ福寿」(旧店名は「大松」)は、明治維新後の開業だというから100年以上の歴史を誇る老舗。侍だった先祖が維新で職をなくし、料理屋となり、のちに神田市場ができた時にここに食堂を出したのが市場食堂のはじまりだという。多くの雑誌や番組で取り上げられている店らしく、店の前には芸能人のサイン色紙がずらりと並んでいる。ふと目をやると大きなのぼりが目に飛び込んだ。「うなぎ」とある。市場なのだから海鮮丼かなと思っていたのだが、どうにも「うなぎ」の文字が気になり女将に質問してみると、たれは創業以来のつぎたしダレ、うなぎは三河産だというではないか。というわけで、うなぎ丼(2052円)を注文、朝食にしては奮発だが、国産らしいしっかりとしたうなぎを堪能することができる。

天かす入りの味噌汁に振り入れるのは寛永2年創業の老舗の七味唐辛子
香ばしい香りとともに「うな丼」が運ばれてきた。「味噌汁にこれをかけるとおいしいよ~」と差し出されたのはこれまた老舗の七味。進められるがままに投入してみると、確かに味に深みが出た。朝から元気がもらえる朝食だ。ガッチリめしを食べたくなったら一度足を運んでほしい。

かんだ福寿
住所:東京都大田区東海3-2-7 大田市場 事務棟2F
営業時間:7:30~7:30(土曜日は、PM4:00まで)
http://kandafukujyu.c.ooco.jp/

朝の東京もなかなか面白いではないか!まだまだ筆者の知らない東京の朝の顔がありそうだ。これからも「東京朝食物語」一人ディレクターとして地道に調査を続けていきたい。

(Text : ジョーキョーマダム

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