2017.04.06
女も30を過ぎれば、ハマってはいけないものが多々ある。しかし時にタガが外れることもあり、そういう時に限ってどハマりしてしまうもの。かくして私も「ダメなんだけどウマイんだよね~」と可愛い顔でお好み焼きにご飯をパクつく男にコロッとしたのがはじまり、恋の高揚が私の判断力を鈍らせ、禁断のスイッチを押してしまった。
『炭水化物×炭水化物』この掛け合わせを、不覚にも美味しいかもと思い始めてしまったがために、今やすっかり入れ込んでいるのである。
なかでも、最近ゾッコンなのは『惣菜パン』。オシャレなパン屋はあらかた制した反動からか、町のパン屋の『惣菜パン』にどハマりしている。パンはコッペパン、そして具はもちろん、炭水化物を挟んだものに限る。小さなコミュニティの中で愛されてきた実績のあるこの子たちは、見た目こそ派手ではないが、このご時世、人だろうがパンだろうが、信頼と実績に勝るものはない。愛すべき価値がある存在だ。そんなオーソドックスな『惣菜パン』について、“マイブーム” ということで独断と偏見ありきで、選りすぐりのパン屋をご紹介させていただきたい。
求めていたのは、こんな店
足立ベーカリー(三軒茶屋)
私が惣菜パンにどハマりしたのは、このパン屋のおかげと言っても過言ではない。「パン好きなら、行き着くのはハード系のパンだよね」なんて気取って言ってる者にはわからない、優しさあふれるパンだ。少しでも乱雑に扱おうものなら、確実にペッシャンコになるだろう、ふわっと柔らかでしっとりとした生地。間違っても、カバンの隅に追いやったりしてはいけない。また、高い粘弾性のため伸びがよく、良質の質感であることに加え、生地の甘みが強いことが特徴で、ホッと優しい気持ちになると皆絶賛する。そんなパンに挟まれた具は、しっかりめの味にしているのかと思いきや、具までも甘め。味にメリハリがなく、このしっぽりまとまってくれた感じが、この上なく旨いのである。
ポテトサラダ(180円)
この店でイチオシなのがこの子。しんなりと型崩れし、くたっとしたやる気のない見た目。けれどこのゆるふわ系な変わり者を一度知ったら、がっついてしまうこと間違いなしだ。個人的に、惣菜パンのポテサラにポテトのほっくり感は邪道だと思っている。第一、喉に詰まってキケンだ。この店のポテサラを手本にして欲しいと思うこともしばしばある。ペースト3歩手前のほどよく潰されたじゃがいもはなめらか、生クリームを入れたような甘みがパンと相俟ってとても美味。きゅうりとやや多めに入った玉ねぎがアクセントになり、ぺろりといただける。これぞ町のパン屋の味だ。
<足立ベーカリー>
住所 : 世田谷区三軒茶屋1-35-1
TEL : 03-3421-5628
営業時間 : 8:00~18:00
定休日 : 火曜日・第3月曜日
アクセス : 三軒茶屋駅から徒歩3分
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13045661/
オシャレな街の渋い店
フジヤベーカリー(代々木上原)
近年いちいちオシャレな代々木上原で、あまり紹介したくないのがこのお店。なぜなら、イマドキの人が出入りすることで、パンのラインナップ等に要らないオシャレ感が出てしまうのでは、と危惧しているのがひとつ。もうひとつは、ここはパンの種類がかなり豊富で、おそらくそれぞれが少ロットで作られているため、今より繁盛店になれば、より目当てのパンがなくなってしまうのではと、誠に勝手ながら個人的に恐れているからだ。何を食べても美味しいのだが、今回は焼きそばパンを紹介したい。ちなみに、上原周辺にはシャレてる美味しいパン屋が数多くあるので、この辺りでここをオススメされると、君いいセンスしてんね!とテンションが上がる。
焼きそばロール(179円)
「焼きそばパン買ってこい!」と言うヤンキーの姿が思い浮かぶような、硬派な焼きそばパン。仕上げにとんかつソースを絡めているという黒く香ばしいソースの味には、ちょっと固めの麺がベストマッチ。そんな麺を包むパンは、からっとした香ばしく無骨な上面と、下にいくにつれもっちり感のある生地で、麺とパン、それぞれの豊かな風味が相互に押し上げている印象。紅生姜の量もソースの濃さと相性良し。ただし、飲み物は必須なので、王道の牛乳でいただいて欲しい!
<フジヤベーカリー>
住所 : 渋谷区西原3-2-5
TEL : 03-3466-2011
営業時間 : 7:00~23:00
定休日 : 日曜
アクセス : 代々木上原駅より徒歩5分
https://wadapan325.wordpress.com
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131811/13046027/