2017.10.23

Vol.20 アツい東京

ダイエット・ランに潜む危険!? プロトレーナーに学ぶ 初心者ランニング講座


東京マラソン2018のエントリーが終わった。最近はファンラン人口の増加からか毎年抽選となっているこのマラソン、今年も一般エントリーの抽選倍率はなんと12倍越えという人気ぶり。確かに、東京に暮らしてみると、走る人を良く見かける。早朝、夜、休日は昼間もスポーツウエアに身を包んだランナーの姿を目にする。ダイエット目的、健康維持のため、走る目的は人それぞれだ。ジムやスタジオに通う必要がないランニングは、始めやすい運動の一つだろう。しかし、だからこそ、あえてプロのトレーナーに話を聞いてみたくなった。走るって、簡単に考えていいの?

その走り方、間違いです!


日本人とアフリカ系の人々の骨格の違いを熱く語る秋場さん
「走るって、意外と奥深い運動なんです。走ることはどんなスポーツにも共通する要素ですし、“走る”といっても、目的によってフォームやトレーニング方法は違ってきます」と話すのは走り方教室を主宰する秋場実さん。
子ども向けの教室をはじめ、プライベートレッスンも受け持つ秋場さんによれば、今の大人が子どものころに習った走り方はダメなパターンが多いというのだ。ちなみに、30才の著者が習った走り方は腕をとにかくふって、前傾姿勢で走ることだった。が、これは日本人にはあまり向いていないことが最近の研究で分かってきたそうだ。

「骨盤を前傾にした姿勢は短距離や1500mのスピードランの場合に有効ですが、残念ながら日本人の骨格では難しいことが分かってきました。アフリカ人など黒人系の選手には向いています。彼らの骨格は、もともと骨盤が前傾傾向にあるからです。ところが、日本人の骨盤は中立が多いので、骨盤を前傾にして走ることは難しいのです。余裕を持ったペースでのランニングの場合は特に、前傾というよりも、重心が上下に動きすぎない走り方が大切です。これには足の着地の仕方、地面との接地について気を付ける必要があります。」(秋場さん)

足のつき方ひとつで走りが変わる



つま先接地はふくらはぎに負担がかかるため、素人がするには難しい。足裏全体をしっかりと地面に下すフラット接地がおすすめ
短距離などでスピードを求める場合はつま先だけを接地してすぐに浮かせるような走り方が良いらしいが(それも骨盤を前傾にして、しかし、技術がいるためとても難しい)、長距離のランニングの場合は安定して走ることが大事になるため、まっすぐに足を下して、足の裏全体で接地し、蹴り上げることが大切だというのだ。地面にフラットに足を接地させると体の上下の動きが少なくなり、スムーズに前に進むことができるらしい。

「極端にかかとから着地して足裏全体を地面につけて、つま先から抜くということをする人がいますが、かかとから着くと上体が後ろに傾きブレーキがかかりやすくなります。だから、理想は足裏全体でフラットに地面をとらえるイメージで走ることです。」と秋場さん、フォームを意識するだけで爽快な走りができるようになると話す。

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