2017.10.16
大人の粋な飲み方をご教示いただくため
銀座の名店『サロン・ド慎太郎』へ。
お酒の席は無礼講。なんてよく耳にするけど、んなわきゃない。大人にとってお酒の席とは、いわばパフォーマンスの場。仕事関係の人間と飲む場合は言わずもがな、それが同僚や昔馴染みの悪友であったとしても、そこでの立ち振る舞いがイケてなければ、ダメなヤツとレッテルを貼られてしまう。そうならないためにもせめて、どんな場合でもマナーを欠いた飲み方だけは避けたいものだ。そこで今回のこの企画、『学ぶ東京〜飲み屋の流儀〜』。粋な大人の粋な飲み方を学ぶため、銀座の超有名ラウンジバー、サロン・ド慎太郎のオーナーママである矢部慎太郎さんに、大人にとっての飲み屋の流儀とはなんなのか、お話しを伺ってきた。
人に迷惑をかけずに、最後までニコニコと。
慎太郎流“飲み屋の流儀”は超シンプル!
「お酒の席でのマナーって言ってもね、居酒屋でもウチみたいなクラブでも、結局は皆さんお酒を飲みに来られているわけだから、大きな違いはないと私は思いますよ。強いて言うなら、とにかく人に迷惑をかけない、イヤな気分にさせない。それだけじゃないですかね。それはもちろん、ご一緒に来られている方に対してもそうだし、隣につく女の子にもそう、他の従業員に対してもそう。誰に対しても横柄になることなく、最後までニコニコ楽しんで帰られる方は、やっぱり素敵ですよね。そういう方がいるだけで、そのテーブルはみんな幸せな気持ちでお酒が飲めるんですよ。
例え自分が悲しかろうが辛かろうが、せっかくのお酒の席で『ヘコんでますぅぅ……』みたいな感じになられてもねぇ。『ビンボくさ』って思われて終わり。な〜んの良いこともありゃしない。だから一流の人っていうのは、些細なことに一喜一憂しないの。どんな時も最後までニコニコして帰られる。それは幸せな時も同じで、例えその場がどれほど楽しかったとしても、『あ〜楽しかった』で、はい終わり。『楽しいからもう1軒行きましょ!』とかもないの。普通はみんな、その楽しさを続けようとするでしょ? でも幸せをダラダラ続けようとするから、不幸もダラダラ続くのよ。一流の人は、そういうことをちゃんとわかってらっしゃる。一喜一憂しなくなったら人生楽ですよ〜(笑)」。
慎太郎さんの所作は美しい。なのに適度に砕けた雰囲気で理に適った話しをしてくれるので、聞いている方としてはついつい気持ち良く聞き入ってしまう。気付けば話しは『飲み屋の流儀』というより精神論になってしまったが、それはそれ。この精神論にも、大人の粋な飲み方のヒントが垣間見える。