2014.11.26
- ARTIST
アーティスト自身による
自画自賛 Vol.05
東京スカパラダイスオーケストラ 谷中敦
今年デビュー25周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラがメモリアルアルバム『SKA ME FOREVER』をリリース。バンドコラボ三部作“10-FEET、MONGOL800、ASIAN KUNG-FU GENERATION” を完全収録した最新作について、谷中敦さんにその凄さを自画自賛してもらいました。
──どんなアルバムになった?
最新作が最高作というのをスカパラは常に意識しているので、今回も相当気合いを入れて制作活動に挑みました。特に今年はデビュー25周年ということもあったので自分たちも相当本気になってアルバムを作らないといけない。25周年ならではの新しいことをしようということで、これまでボーカリストを呼んでコラボしたことはありましたが、今回は新しくバンドを呼んでみました。
──なぜバンドとコラボを?
僕も最初は何てぶっとんだ企画なんだろうと思いましたね。もともと9人いて、スリーピースのバンドを呼んだらドラム2人、ベース2人、ギター2人になっちゃって。特にベースが2人いるのなんて聞いたことがないし、結構無理のある企画なんじゃないかと初めは思いましたが、結果的にはすごく刺激になるところが多かったです。ボーカリストだけと付き合っていると、そのボーカリストのパーソナリティが浮き彫りになって終わってしまうこともあるんですが、バンドとお付き合いすると、バンドの中の関係性だったり音楽の作り方だったり、刺激を受ける部分がありますよね。
──“バンドコラボ三部作”以外の楽曲は?
バンドコラボは人数が多い分それなりに派手な印象になるので、他の曲が沈んで聞こえたら嫌だなというところもあって、バンドコラボ以外の曲が沈まないように、さらに気合いを入れました。なので、いつもやっているインストゥルメンタルの曲も非常に良い出来ですし、ボーカルをメンバーボーカルでとった曲もありますし。なぜか僕がパンクの曲を作って、リードボーカルをやっています。「One Way Punk」という曲なんですけど、おもしろいんで笑いながら聴いてほしいです。あとは、キーボードの沖とギターの加藤、そして僕がリードボーカルを回してとっていくというスタイルの「Sunny Blues 7inch」という曲もあります。
──星野源さんが歌う舞台主題歌の元曲も収録?
ドラムスの茂木欣一がボーカルをとった「チャンス」という曲なんですが、これは「劇団☆新感線」と「大人計画」がタッグを組んだ舞台『ラストフラワーズ』の主題歌「ラストフラワー」の元曲。僕が以前から親しくさせていただいている松尾スズキさんに「いつか一緒にやりたいですね」と言っていた夢が何
年越しかで実現したという。この舞台のために80曲ちかく作り上げたんですが、そのうちの一曲が、茂木欣一がボーカルをとった「チャンス」で、同じメロディラインで歌詞とボーカリストが違う。「ラストフラワー」の方は松尾スズキさん作詞で、歌ってくれているのは星野源くん。 松尾さんの歌詞もすばらしくて、僕たちも舞台を見て感動しました。
──今後はどんなコラボをしたい?
今、ラテン圏の音楽ファンが非常にアツイ。10月に参加したアメリカ最大のラテンフェスティバル「supersonico」(コーチュラのラテンミュージック版)でも、いわゆる英語圏のアーティストはほとんどいない。ヘッドライナーのカフェ・タクバはメキシコ、カイエトレセはプエルトリコで、ラテン圏のDJやアフロパンクなバンドなど様々。カフェ・タクバもカイエトレセも、もともとスカバンド出身だったりして、スカと親密な関係にある。そういう人たちとコミュニケーションをとりながら、海外の人たちともコラボレーションしていけたらなあと、夢としてあります。
東京スカパラダイスオーケストラ
1980年代後半にデビューした大所帯スカバンド。通称“スカパラ”。ストリートやクラブを中心にライヴ活動を重ね、89年にアナログでのミニ・アルバム『東京スカパラダイスオーケストラ』を発表。一躍注目を浴び、翌年5月にシングル「MONSTER ROCK」とアルバム『スカパラ登場』でメジャー・デビュー。
スカをルーツにしたジャンルに捉われない音楽性で人気を誇る。メンバーの死去や交代を乗り越え、国内外で精力的に活動。他アーティストとのコラボも多数。2014年にデビュー25周年を迎え、“バンドコラボ”3部作をリリース。
東京スカパラダイスオーケストラ
オリジナルアルバム『SKA ME FOREVER』