2015.04.30
東京ではシングルオリジン・コーヒーを飲むべきか?
読者の皆さんはもうお試しになったでしょうか?
あ、例のサードウェーブコーヒーのことなんですけどね。
そこのウリは何と言ってもシングルオリジン・コーヒーだということで、我が編集部もシングルオリジン・コーヒーとは、どんだけ凄いものかを検証するべく、お馴染みのスターバックスへと向かうのであった。
なぜ、サードウェーブに行かないかというと、スターバックスが限定店舗で使っている「クローバー」というマシンに興味があったからだ。スターバックスの社長、ハワード・シュルツ氏がこのマシンで入れたコーヒーのおいしさに感激したエピソードもありやなしや。
「クローバー」は「バキューム・プレス」と呼ばれる独自の抽出方法が特徴なのだとか。コーヒーに適度な蒸らしを加えたところで一気に抽出(吸い込む)、香りをいっさい逃さない絶妙なコーヒーを創り上げるというのを、マシンがすべてやってのけるという。ま、百聞は一見に如かず。新マシンを設置した東京・丸の内ビル店に行ってみた。
美しき“コーヒーマスター”による珠玉の一杯を
このクローバーは、スターバックスのコーヒーバイヤーが世界から集めてきた貴重な豆を提供する「スターバックス リザーブ®」というメニューに使われる。そして今回我々にその実力を紹介してくださるのが、コーヒーマスターの市倉歩美さん(笑顔が素晴らしい!)。彼女はひと目見てわかるブラックエプロンの実力者(ブラックエプロンの方々はバリスタの中でも特別な試験に合格したツワモノ)。
さて、さっそく飲んでみるか、と。コーヒー豆は通常よりも多めに使用。というのも、「クローバー」の抽出時間は実に早く抽出されるからだ。
さて、実際に見てみる。豆をマシンの上部の円形の窪みにセット。
⇨自動的に適温のお湯が注がれ、豆の種類に合わせた時間蒸らされる
⇨するとまさにバキュームの名にふさわしく真空状態の本体に吸い込まれて(=抽出)完成。とにかく早い!
で飲む!おぉぉ!違う!とにかく豆の産地の景色が浮かぶかのような個性あふれるコーヒーの香りと風味が迫ってくるのだ(大げさじゃなく)。
ドリップが主流の今、あえて最高級品種の豆にマシンを使うというレジスタンスを行うスターバックスの真剣勝負が感じられる一瞬であった。
コーヒーの味わいとはなんなんだ?
ペーパーフィルターでのドリップは美味しい。が、このマシンやプレスは金属フィルターを使う(「クローバー」のフィルターは70ミクロンという目の細さ)。この差は何か?ペーパーフィルターはコーヒーに含まれる油分を紙が吸収するためすっきり感が生まれる。対して金属フィルターは、その油分も一緒に抽出されるだけにコーヒー豆の味わいがダイレクトに出てくるのだそうだ。好みではあるけれど、コーヒーの味わいをとことん味わいたいというのなら、油分ありがいいのではと思うわけです。シングルオリジンにこだわって楽しみたいなら、コーヒーの旨みを全部引き出す、こっちかなと思うわけです。
コーヒー豆の個性と産地を楽しむべし
この日、我々が飲んでみたコーヒー豆は3種類。
まずは、珍しい東ティモール産の「イースト ティモール エルメラ」。東ティモールの山岳地帯にある小さな農園で栽培される希少品種。21世紀に独立した小国だけに満足なインフラが整っていないのだが、スターバックスと医療サービスの提供に寄与するなど“深い話”が裏側にある。で、味わいはなんと、かすかにレモンの風味というか、柑橘系の感覚と、飲み進めるとペッパーのような刺激が現れる。いやー、まるでワインのような複雑さと爽やかさの同居に驚かされる。その爽やか感はアイスコーヒーに仕立てても揺るぐことはありません。
お次は「ブラジル ノバ レゼンデ」。オーソドックスなブラジル産だけれど、こちらの特徴は何と言っても乾燥式だということ。多くのコーヒー豆は収穫後水洗されるが、こちらは水洗せずに乾燥しているだけにゆっくりと熟して濃厚な味わいを生み出す。苦味と酸味、複雑な味わいと力強さ。強いコーヒーが好きなので、個人的にはイチ押しです。
もう一杯は「ケニア サンガナ」。ご存知アフリカの中央部ケニアの高地で栽培される豆は、アフリカの大地のごとくダイナミックで、ケニア産の特徴である酸味だけでなくカシスなどの果実感も豊か。
うーむ、これも捨てがたい旨さ。
というわけで、ご好意に甘えて散々試飲したわけだが、このスターバックス リザーブ®は、いずれも期間限定で、その豆の一番おいしい時期に提供される。興味がわいた方は、早々に「クローバー」設置のスターバックスをネットでチェックしてトライすべしなのであった。
スターバックスリザーブ®
http://www.starbucks.co.jp/coffee/reserve/
スターバックス丸の内ビル店
http://www.starbucks.co.jp/store/search/detail.php?id=371
営業時間 : 07:00~22:00
住所: 東京都 千代田区 丸の内2-4-1 丸の内ビルディング
電話番号: 03-5220-7748