2017.02.14
最近ファッションが失速気味というニュースをよく見る。売れないのだと。その原因をTOKYOWISE的斜め目線で考えてみようとなった。そう、ファッションが進化&変化してくれないと、TOKYOのNEXTがつまらないじゃないかと思うからだ。
考察1:定番ウィルスの蔓延
インフルエンザは怖い。ウィルスに感染したら最後、急激に増殖しては、ことごとく体調をかき乱してくれるわけだが、ファッションでいうところのブームも、言ってしまえば、感染(ウィルス)のようなもの。ワクチン(次なるトレンドアイテム)が出現しないとなかなか完治しない。しかも、この定番ウィルスは何年か毎に、不治の病のように復活してくるのだ。ここ近年は、この定番ウィルスが大流行しているように感じていて、服が売れない現象の遠因だと断言してしまえるのだ。
考察2:次世代ウィルスの弱さ
現状のウィルスの感染力の強さに比べて、パリやロンドン、ニューヨークで発生している新種のウィルス(ブーム)の感染力がどうも弱い。ま、油断をしているとこれらの流行発振力ではなく、渋谷や原宿の裏通りや、名古屋あたりから未発見のウィルスが発生することもあるので要注意だ。
定番ウィルス図鑑
ボディコン、ローライズ、タトゥストッキング、伊達メガネ。あるいは、シャネラー、シノラー、ロリータ…など、時代をさかのぼれば、感染ヒストリーは延々と続くが、幸か不幸か、一度感染したら二度とは治らない、重度のウィルスからまずご覧いただきたい。
※ウィルス度は、100%をMAXに、あくまでもTOKYOWISE編集部独自の調査によりジャッジしたオリジナル指標である。
ファッションウィルス(ブーム感染)
~“3大不治の病”編~
★トレンチコート
ウィルス度 120%
これぞ、永遠のウィルス。本来、中高年サラリーマンの必須アイテムだったものが、オシャレ好きな20代30代のオシャレアイテムとして定着してしまった。その意味でも感染力の強さはピカイチ。婦女子はジーンズにパンプスを合わせ、トレンチコートさえ羽織れば、セレブマダム化間違いなしとさえ言われる。オシャレブロガーのファッション指南本で登場しないことはまずない。という意味でも処方箋はありません。
※本気でバーバリーまで感染したらほぼ完治できない、だろう。
★ライダース
ウィルス度 180%
ここ数年、男女ともに破竹の勢いで猛威を振るっているのがライダースジャケットだ。それも従来のワイルド感満載に着こなすのではなく、フェミニンなアイテムに合わせたりと、オシャレに外すアイテムとしても人気が高い。ま、ファッション系のイベントに行くと、2割はライダース着用ということも少なくない。抜群のフィット感と、誰でもそれなりにカッコよく見えてしまう魔法のようなパワーを秘めているからだろうな。だからと言って、これを着てバイクにまたがる本気ライダーのアイテムとは違い、あくまでファッションとしての人気だ。この感染力の強さは値段も高く無理して買っちゃった人も多いだけに、しばらく完治しないと思われる。
★スニーカー
ウィルス度 200%
スニーカーで男女共通の感染症状は、足がスニーカーに慣れきってしまうこと。革靴やハイヒールには容易には戻れないという症状だ。かくいう筆者もこの病態だが、すでに手遅れと診断された。ウィルスとうまく付き合う(さらに愛用する)ことに、日々尽力している。雑誌やブランドが、NEXTスニーカーを必死に投入しても、スニーカーの楽チンさに馴れきった足は、そう簡単には次に移れないのだ。しかも安価(物によってはとてつもなく高価だが)。さらに某Nのようにアーティストコラボを出せば、長蛇の列=リセールバリューまで生まれるという感染力は、当分完治することはないだろう。
重度のウィルスには、MA-1やドクターマーチンなども挙げられるが、5年、10年と長いサイクルで経過観察すると、定期的にフェードアウトする時期があるので、ここでは中重度としておきたい。