2017.02.14
ファッションウィルス(ブーム感染)
~What’s NEXT編~
“日本語アイテム”が、世界の新たなスタンダードに!?
★カタカナロゴアイテム
ウィルス(予測感染)度 82%
ところで、新顔ウィルスについて。ここ2年ほど、海外のファッションシーンでは、カタカナロゴのアイテムが続々登場している。ラフ・シモンズの“ラフ”を刺繍したカタカナワッペン、COACHの“コーチ”やKENZOの“ケンゾー”が大きくプリントされたカタカナTシャツ、さらには、アディダスやナイキからも、同様のウェアやスニーカーが発売されている。ま、元祖というべきはロンドンの「Super Dry極度乾燥(しなさい)」だろうけれど、漢字がカタカナに変異したウィルスと言えるかな。
外国人モデルがカタカナロゴアイテムを着用した姿は、新鮮に映る。だが、カタカナに慣れ親しむ我々日本人としてはどうか?正直言って、今のところ、よほどのファッショニスタでないかぎり、(恥ずかしくて)着れないだろう。だが、最大瞬間風速の影響力(感染力)を持つ勇気ある誰かが着たとたん、「ローマ字のプリントなんて、ダサッ!今はカタカナがINよ!」と、SNSで自撮りする感染者が続出することも十分にあり得る。
カタカナがもし世界的に感染したら?―少しの不安と期待を込めて、TOKYOWISEとしては、NEXTウィルスの最有力候補に挙げたい。
★マーク・ジェイコブスのMTVロゴ・スウェット
ウィルス(予測感染)度 77%
マーク・ジェイコブMTVロゴのスウェットをはじめ、国境を越えて、誰もが知るシンボリックなマークが入ったアイテムが感染の兆し。好きかどうかはさておき、ポロを筆頭に見られる“ビッグロゴ”や、ユニクロがスターウォーズとコラボしたキャラクターアイテムなども、同系列の路線上にあるといえる。ロゴやキャラクターそのものは、普遍的に愛されるが、一方で、それらをファッションに取り入れることは、禁忌とされてきた。筆者は、この流れにブームの真髄がある気がしてならない。
★超ロングスリーブ=“ぶら袖”
ウィルス(予測感染)度 61%
指先まですっぽり隠して、ぶらぶら垂れるぶら袖。ニットからシャツまで、アイテム数は幅広いが、袖が異様に長いため、全体のバランスを考えると、合わせるボトムが限られてくる難易度の高いアイテムだ。女子向けのアイテムかと思いきや、インターネットで検索すると、「ぶら袖 メンズ」が上位に表示される。が、その多くは、マンガ「おそ松くん」の十四松くんにまつわるものだ。彼こそが、このブームの先駆けなのかもしれない。
カムバックウィルスの元凶は、安室奈美恵!?
今挙げた3つのアイテムが、今後どれだけの感染力を持つかは、その時になってみなければ分からない。ファッションウィルスは、とにかく浮き沈みが激しいからだ。しかし、歴史を振り返れば、そこには、社会を揺るがすほどの強力なブームを巻き起こし、時を経て再ブームになりそうな根強いウィルスも存在する。
ファッションウィルス(ブーム感染)
~歴代編~
★BAPE(A BATHING APE)のTシャツ
ウィルス度 93%
A BATHING APEは、2000年前後に大ブームを起こした元祖・裏原系ブランド。商品の入荷日には店に行列ができるのが当たり前。ブームのピーク時には、商品がほとんどないのに普通に開店するという型破りな売り方が、逆に人々の欲しい気持ちをさらにあおった。サルのプリントTシャツやBAPEのロゴ入りTシャツはコピーが氾濫し、ニセウィルスの感染者も多発した危険度の高いアイテムだ。
★アディダスのジャージ
ウィルス度 95%
世界的なヒップホップブームが到来した1990年代、Run-D.M.C.が着用したことで、一気に人気に火がついたアディダスのジャージ。スポーツジャージをファッションアイテムに変えた革命的な疫病ともいえる。トレフォイルロゴと三本線の感染力は非常に強力で、色違いで大人買いする人も多くいた。知っての通り、今もなお人気は健在だ。
★厚底ニーハイブーツ
ウィルス度 98%
厚底ニーハイブーツは、1990年代に社会現象を巻き起こしたアムラーファッションアイテムのひとつ。感度の高い当時の10代20代女子なら、一度は感染した(一足は持っていた)と思われる。ブームは巡りめぐって戻ってくるもので、最近、レトロブーム回帰として海外セレブがニーハイブーツを取り入れ、トレンドを先取りしているもよう。厚底ではなく、フラットタイプのソールが多いが、東京で再燃(再感染)する日もそう遠くないかもしれない。
最近でいうと、もうそろそろヤバイっす!!東京崖っぷちアイテム女性編でも語られたように、フルレングスのワイドパンツがすっかり定着した反面、その感染の発端ともいえるガウチョパンツの賞味期限(感染期間)は驚くほど短く、同じ流れで出てきたスカンツの感染も、そろそろ治まってきた。
つまるところ、感染(ブーム)とは、いつ襲ってくるか、消え去っていくのか、先読みできないものだが、インフルエンザのように一時期の熱いブームほど、愛おしく思えたりするから不思議。でも、世の中的に冷めたあとでも、まだ熱が続くならそれは本物(重症)。なりふり構わずに、マイ感染を突き詰めていただきたい。