2014.07.28
- SLEEPER
東京快眠指南 Vol.03
by Megumi Kaji
日本の夏の快眠法
梅雨が明けて、一年で一番快眠しにくい季節がやってきました。
ここ数年の猛暑にあっては、熱帯夜に冷房を止めて寝ると言うのも、睡眠不足が解消できず却って体に負担がかかってしまうので、温度は少し高めの29~30 ℃位、タイマーオフのタイミングは3時間程度に設定して使うのが良いようです。
今は、エアコンで部屋の温度湿度をコントロールできるようになっていますが、もともと睡眠の環境には、その地域の気候風土に対応した工夫がありました。
例えばハンモック。ハンモックは中南米地域で生まれました。地面から離れた高い位置に吊った網の中で寝るのですが、湿気や地面からの害虫などを避けて安眠するための工夫だったのです。円筒形のクッションのような抱き枕という寝具は、東南アジアや中国南部などで使われ始めましたが、蒸し暑いために掛け布団を使わないこの地域で、明け方気温が下がってきた時にお腹を冷やさないようにするため、綿の入ったクッションのようなものを抱きかかえて眠るという生活の知恵だったようです。
日本は東南アジアと同様、かつては蚊帳を吊ってその中で就寝する習慣がありました。(最近では、蚊帳は蚊を避ける役割というよりも、冷房の冷気を直接当たらないようにするために使う方もいるようですが)。四季のある日本。夏ならではの眠りの道具、しつらいを工夫してみてはいかがでしょう。特に、夏は年々熱帯の気候に近づいているようです。日本より暑い地域の睡眠の工夫を取り入れてみてはいかがでしょう。
夏は寝苦しいため冬に比べてどうしても睡眠時間が不足しがちです。リズムを乱さないように、仮眠をとるのもよいでしょう。午後の早い時間帯に眠くなるのは、ランチを食べたからだと思いがちですが、もともと体が持っている眠気のリズムの一つです。昼寝をとるならこの時間帯にサクッと短めに、がお薦めです。
- 鍛冶恵
- 東京生まれ。1989年ロフテー株式会社入社後、快眠スタジオにて睡眠文化の調査研究業務に従事。1999年睡眠文化研究所の設立にともない研究所に異動後、主任研究員を経て2009年まで同所長。睡眠文化調査研究や睡眠文化フォーラムなどのコーディネーションを行なう。2006年、睡眠改善インストラクター認定。2009年ロフテー株式会社を退社しフリーに。2010年、NPO睡眠文化研究会を立ち上げる。