2018.01.09
- 世界を旅し、人生を旅する
【世界を旅し、人生を旅する vol.3】
ハネムーンの聖地でゲイ友と夫婦になる。
独身、彼氏なし。わたくしダージリンこずえは、40歳の誕生日をゲイ友とハネムーンの聖地であるタヒチのボラボラで迎えることとなった。
「ボラボラ(Bora Bora)」という言葉を初めてきいたのは、映画『パルプフィクション』だった。ブルース・ウィリス演じるボクサーのブッチが、恋人であるファビアンと逃亡劇を繰り広げるのだが、ファビアンが「ボラボラ」へ行くのを夢みているシーンがある。
さて、そのボラボラだが、南太平洋のフレンチポリネシア、一般的に「タヒチ」として知られている島のひとつ。
ここにはセントレジス、フォーシーズンズなど、島の中心であるオテマヌ山を囲んだ美しいリーフに沿って世界の名だたる高級リゾートが点在している。
本国フランス人が憧れる一番遠いフランスでもあり、またアメリカ人にとってはお金持ちが行くハネムーンということでも大人気のラグジュアリーリゾートアイランドだ。
今回、40歳の誕生日を過ごしたのは、ボラボラに10年ぶりに新しいリゾートができたということで話題の「コンラッド ボラボラ ヌイ (Conrad Bora Bora Nui)」。
目の前には、透き通ったアイスブルー、ターコイズブルー、エメラルドグリーン…と美しいグラデーションが続くラグーンを一望でき、リゾート内には白い砂浜、そして敷地内の山の斜面には、みずみずしく生い茂る緑が広がる。
近くに隣接するホテルもなく、プライベート感をたっぷりと楽しめるリゾートだ。
私たちが泊まったロイヤルプール水上ヴィラは、ポンツーンの端にあり、目の前に遮るものがなにもない最高の眺め。そのため、大半を部屋のプールサイドやプールの横にあるハンモックのようなところで読書をして過ごした。
ホテルのスタッフの人たちはもちろん私たちを「夫婦」だと思っているようで、彼を「ミスターA」、わたしを「マダムA」と呼ぶ。
だから、わたしたちもボラボラではとことん夫婦役を楽しむことにした。
初めて呼ばれる自分の苗字じゃない、隣にいる男性の「苗字+マダム」という響き。男性といっても、ゲイだけれど、そんなことはどうでもいい。
結婚して苗字が変わる感覚っていうのはこういうことなのか〜と。
自分であって自分でないような不思議な感覚。
食事やプールバーで飲んだあと、チェックが彼のところに渡され部屋につけておくとき、彼の名前でサインするのをみていると、財布が同じになるってこういうことなのかな〜と。
そんな細かなところで、ハネムーナーになった感覚を楽しむ。