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2015.06.05

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Vol.02 LAOS
ラオスには何もない幸せがあった。



何にもないのがいい、と言われるラオス。
何もないとは失礼な…確かに東京にあるようなものは何もないが、観光地として発展をとげようとする街の暮らしがあった。

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秘境とまではいかなくても、素朴な街並みや観光客慣れしていない人々を想像していたが、ラオスのおじさんたちは他の東南アジアの国と変わらないノリで「トゥクトゥク?(に乗らないか?)」と声をかけてきた。案外こなれている。

そう思ったのは第一印象までで、声かけに応じてみると「クアンシーの滝まで40,000kpでいい。20分待ってて。あと4人連れてくる。」 大人数で乗り合わせれば安いということだが、その人数が揃っているわけではないらしい。20分待っても4人は来ないし、更に待っても来ない。その間、おじさんは4人を集めようと必死に旅行者に声をかけている。なんだかちょっとかわいそうになってきた。日が暮れるまで待とうかと思いつつも、こちらも時間が限られているので謝りながらその場を去ったが、その後は誰かつかまえられたのだろうか。残念そうなおじさんの顔が今もまぶたの裏側に甦る。 もっと他にもやり方はあったろうに、こんなに不器用でまっすぐな客引きはタイやベトナムにはきっといない。

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ラオスに観光客が訪れ出したのは1995年、ルアンパバーンが世界遺産に登録された頃からだ。アジア最貧国と呼ばれ、経済が発展しているとはとてもいえない街並みだが、歩いていて「貧しさ」をあまり感じないのは物乞いがいないからだと気づく。ラオスは約8割が農業を営んでおり、食料が豊富だということもあるが、きっとそれだけではないのだろう。

今ラオスは他国からの投資で開発が急速に進められている。何もないのが良いなんて言われなくなるのは、案外早いのかもしれない。

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(Text&Photo:Yuko Ohba)


Yuko Ohba
seitaro design, inc./グラフィックデザイナー
TOKYOWISEのサイトデザイン、記事のグラフィックを担当するデザイナーの1人。3ヶ月間休職をし、世界各国を周遊中。
Instagram:@ohbayuko

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