2016.11.04
- 美容業界の裏常識
酔っぱらい女子に朗報!
化粧品PRが教えてくれた「いざという時のズボラスキンケア」
僕がよく立ち寄る西麻布のBARは、フルーツカクテルが美味しいことで知られている。ま、酒好きからすればフルーツカクテルなんてと言うかもしれないけれど、それほどお酒が強くない僕にとってはコレで十分なのだ。季節のフルーツを楽しむというのが目下のお楽しみと言っていい。
で、ここのマスター。ちょっと神がかった特技(ワザ)を持っていて……というのも人と人を “引き合わせる”名人なのだ。一人でしっぽり飲むことの方が多いのだが、誰かと軽い会話を楽しみたいというのもあるにはある。そんな僕の心の声を熟知しているマスターは、絶妙なタイミングでぴったりの相手を紹介してくれるのだ。どの人もユニークでパンチがあって、極めて僕向き。ハズレがないのがスゴい。
とある日、某化粧品ブランドのPRの女性を紹介してくれた。
「すみません、化粧品のことは全く知識がなくて……」と先に謝ると、
「いいですよ。でも、肌がとてもきれいなので、美容に関心があるのかと思いました」と彼女。
確かに、肌がキレイ(別に色白ではない)と言われることが多いが、特別な手入れをしているわけでもなく……近所のドラッグストアで買った洗顔料と化粧水を使ってる程度だ。
「男も化粧品を使わなきゃいけない時代になるんですかね」と、僕。
「使わなきゃいけないわけではありません。ただ、化粧品を使ってお手入れしている人としていない人とでは明らかに差がでるんです。それも中年になってから(笑)。たとえば……目元。目元専用のクリームでお手入れすると目尻の小ジワだけじゃなく、上まぶたのたるみもなくなって、目が大きく見えるんです」。
男がアイクリーム??? 何だかピンと来ないけど、彼女いわく「美容感度の高い男性が増え、ここ2年くらい男性美容ブーム中」なのだと言う。僕のまわりには美容感度の高い男友だちなんてのは、いないからわからないけど……男が美容にハマるねぇぇ〜。不思議な世の中になったもんだ。
「化粧品ブランドのPRの人って、キレイな人でなくちゃなれないんですか?」と尋ねたら、彼女は大笑いして答えてくれた。
「今ここでYESと言ったら、私、嫌なオンナになりますね。でも、NOって言うのもどうかと思うの。PRの仕事ってざっくり言うと商品の宣伝マンでしょ。担当するブランドの商品をいかに多くの人に知ってもらうか、たくさんのメディアに紹介してもらえるかってことなんですよね。ブランドの顔となって商品をアピールするのだから、商品と同じくらい人間力も必要になってくるのよ。とくに、初めてお会いする方の印象に残らないとね。ちょっといじわるに聞こえるかもしれないけれど、これだけ見た目印象が大事と言われている時代なのだから、正直、キレイに越したこと無いわけですよ。キレイなおねーさんが宣伝しているコスメなら“何かいーかも……”と思いませんか?」
確かに。そう言われるとそうかも。
「PRって華やかな職業に見えがちだけど、主役はあくまでも商品。だから商品が紹介されるために何でもやるわけです。雑誌に素顔も出すし(笑)、プライベートなことも話したり。大型商品の発表会の運営や商品リリースの作成、プレスキットの用意とかで大わらわ。その後も出版社やテレビ局へ行って営業活動しますからね。
出版社へ行くときは、だいたい4〜5編集部を回るので、人数分の商品やおみやげを持って……戦闘態勢です。商品の説明はもちろん、編集者のどんな質問にも答えられるようにしなきゃいけません。PRだから当たり前なんですけどね。最後のキャラバンが終わる頃には喉がカラカラ状態(笑)。
オフィスワークだって地味な仕事ですよ。朝は編集者やライターさんからの電話やメール対応、雑誌の取材やアンケートに掲載される商品の貸出依頼の連絡なんて1ヵ月に100件以上も来ますからね。100件分の発送作業をしているとネイルは剥げるし、手はカサカサになるし(笑)。1日ずっと会議室でこもっていたなんてこともザラですから。
夜は仲良し編集者、ライターさんと会食。他ブランドの動きや雑誌の特集とか、いろいろな情報交換をさせていただくの。年末、年度末となれば月のほとんどが会食で埋まるから、平日のディナー・デートなんてまず無理ね。一番必要なのは体力、タフでなければ務まらないと思います」。
彼女は2杯目のカクテルを飲みながら、最後に本音をポロリ。
「だから毎日クタクタなの。不規則な生活になるとすぐに肌も荒れるでしょ……。昨日使っていたスキンケアがヒリヒリして使えない、なんてこともあるんですよ。でも、化粧品のPRである以上、そんなこと許されないんです」。
NEXT> 酔っ払って帰ったときの必殺技を伝授