Editor’s Eye
2016.04.06
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オスカー受賞のレオナルド・ディカプリオ来日!
映画『レヴェナント:蘇りし者』の魅力に迫る
第88回アカデミー賞で悲願の主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオ。オスカー受賞となった主演作『レヴェナント:蘇りし者』は、アレハンドロ・G・イニャリトゥが史上3人目となる2年連続の監督賞、エマニュエル・ルベツキは3年連続の撮影賞に輝き、大きな話題と注目を集めている。
日本公開を控え、プロモーション来日を果たしたディカプリオは、
「以前からイニャリトゥ監督の大ファンだった。特別で独創的な撮影方法が素晴らしく、自然光のみを使い限られた時間の中で撮影をした本作は、まるで演劇の舞台に挑んでいるような感覚でアドレナリンが出た」と語った。
(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
伝説となった実在の人物が主役のサバイバル・ドラマ
アメリカ西部の未開拓地をミズリー川沿いに進んでいたハンターの一団。そのガイド役を務めていたディカプリオ演じるヒュー・グラスは、途中、熊(グリズリー)に襲われ瀕死の状態に。仲間に見捨てられ、裏切り者によって最愛の息子の命まで奪われたグラスは、“復讐の執念”を生きる力に変えて壮絶なサバイバルの旅へ歩み出す……。
この物語は、アメリカ開拓時代に死の淵から生還し伝説となった実在の人物をモデルに、アレハンロド・G・イニャリトゥ監督が逸話に架空の展開を加え、死を起点とする復讐の旅が生の意味を問う救済の旅へと昇華していくドラマに仕上げられている。
事実は小説よりも奇なり。限界を超えた体力と精神力を持つ一人の男を熱演したディカプリオは、
「グラス(の役)は、寡黙でセリフも少ない。だからこそ、言語に捉われることなく人に伝わりやすく、世界的に受け入れられているのだと思う」
と話す。「セリフが少ない」という理由の一つに、熊に襲われて負った重傷が関係しているのだが、顔の表情で感情を表現するという難しい演技を見せる彼に目と心を奪われつつ、オスカー像を手にしたことに納得できる。
(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
あらゆるメッセージが散りばめられた映画作品
人間と自然との関わりを描いている今作。このテーマについて、イニャリトゥ監督と時間をかけて話し合ったと語るディカプリオは、
「豊かな自然や伝統的な文化が資本主義によって失われる事態は、今の世の中でも起こっている」
と示唆し、自身が積極的に取り組む環境保護の重要性についても言及した。
底に流れる共感を呼ぶテーマを深く掘り下げた『レヴェナント:蘇りし者』。
「この作品は、映画史に残る芸術作品だと思う。撮影というより、壮大な旅に出かけたような感じだ」
という言葉のように、観る側も想像を絶する体験と感動が味わえるはずだ。
『レヴェナント:蘇えりし者』
4月22日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
http://www.foxmovies-jp.com/revenant/