Editor’s Eye
2015.12.25
- Editor’s Eye
“クリぼっち”時代の東京恋愛事情
個人的な印象かもしれないけれど、なぜか今年のクリスマスは盛り上がりに欠けていたように思う。”マライア”も”ワム!”も”ヤマタツ”もあまり聞かなかったような(ちょっとホッとするけれど)。一説にはハロウィンが盛り上がりすぎて、クリスマスで盛り上がるのは、ちょっと古い的なことなのかもしれないが。
もちろん、そんなことはないという幸せな人たちもいるだろうが、ケーキ売りの掛け声は勇ましいが、素通りする人の数も半端ではない。ルミネにしてもそれほど買い物客でごった返してもいない。
恋愛が低調な時代だからか、ハロウィンのような集団的バカ騒ぎは狂喜して集うが、日本的1対1ベースのクリスマスは苦手というイマドキの若者心情の表れなのかなとも思う。
じゃ、いったいみんなはどんなクリスマスを過ごしているのか?そんな興味も含めて、東京某所で開かれた“クリぼっち”パーティに顔を出してみた。
“クリぼっち”=クリスマスひとりぼっち
結論から言うと、そこはまるで30代女子会の様相を呈している現場だった。それぞれに仕事もでき、それなりに美しく、彼氏のひとりや二人いてもおかしくはないような女性達だ。もちろん男子もいないわけではないが、そりゃそうだろう(クリぼっちw)と思えるような男子もいる。
いやー、正直言ってもったいない女子だらけで、今からでもいいから食事に行きませんかという邪心すら起こりそうだ。
ここに来てみようと思ったきっかけは、数日前のWBS(ワールド・ビジネス・サテライト)でのニュースだった。なんとクリスマスに予定のない若者(N=600、20〜30代社会人男女)が67.7%もいるというのだ。まさに悲報というしかない。
恋人と過ごすというのも7〜8%しかいないのだから、“クリぼっち”に集まるのも無理はないのかな。
それほどまでに、パートナーを必要としていないのか、必要だけど見つからないのか、見つけようとしていないのか定かではないが。
なにしろ「お一人様限定クリスマスプラン、single bell」を用意しているホテルや、お一人様用ケーキが予約で完売になったりと、東京の恋愛事情がかなり寂しいことになっているのが、今年のクリスマスに浮き彫りになっている。
さて、件の“クリぼっち”パーティは、特段愚痴っぽくもなく、和気藹々と飲み食い、終電時間にはきれいにお開きとなった。
もうクリスマスは恋人と、というフレーズはなんとか商売に結びつけようと必死になっている売り手だけの話で、世間の若者はもうどうでもいい軽いイベントの一つに成り下がっているのではないかとさえ思えるのであった。
グッバイ、バブルなクリスマス。