TOKYO REAL BEAUTY

2018.09.27

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10センチの奇跡


気にしない、という人は全く気にしないようだけど、一度気になったら止まらないのが「自分と他人との距離間」。パーソナルスペース、プライバシーエリアとも呼ばれている、要は他人が近づいてきて不快だと思う空間のこと。

特に親しい間柄というわけではないのに、妙に馴れ馴れしく近寄ってくる人がいた。本人は気づいていないようだけど、さすがに「この距離は……」と心の中でツッコミを入れたくなるくらいの近さ(苦笑)。その勢いに押されてしまい、思わず後ずさりしてしまったことがある。

特にビジネスシーンでは、相手との距離間、パーソナルスペースを保つことは大切だと思う。会話をする時、隣に立つ時などさまざまなシーンで相手との程よい距離を保てると安心だし、信頼感が生まれる。ものすごく不思議な感覚だけど、それを感じている人は意外と多いのでは?

ちなみに、このパーソナルスペースってどれくらいの距離のことを言うのだろう。調べてみるといろいろな説があるが、概ねこんな感じ。



50cm以内:手が届く距離 → 【特に親しい間柄】
50〜80cm:表情が読み取れる距離 → 【親しい間柄】
80cm〜2m:知らない人同士が会話をしたり向かい合ったりする距離 → 【仕事シーンや日常会話をする間柄】
2〜3m:相手の顔がわかり、挨拶をする程度の距離 → 【挨拶をする程度の間柄】

距離の遠い・近いで双方の関係性がわかるなんて、ちょっとおもしろい。ちなみに、一番近い距離である50cmを実際に測ってみると……本当に近い。確かにこの距離は恋人や家族など、親しい人でなければなかなか許される距離ではないだろう。
こと恋愛においては、少しでも縮められた方が良いに決まってる。お互いの距離が今より10cm近づいたら……何かが始まりそうって期待してしまう、いや意識してしまうのも無理はない。

血縁関係はないけれど妹のように可愛がっているコがいる。中学・高校・大学の先輩の妹で、10歳以上年が離れている。彼女も今年30歳になり、一人暮らしを始めた。
世間的には「しっかり者のおねーさん」で通っているけれど、小さな頃から甘えん坊でぶきっちょ、心配症の性格は変わっていない。時々、「ご飯を食べさせて〜」と連絡がくる。

お酒を飲みながら、仕事や友達のことなど、今ドキ30代女子のいろんな話がコロコロと出てくる。でも、最後はお決まりの恋愛相談。どうやら好きな人ができたらしい(正確にいうと「変わった」らしい)。
お互いの気持ちも何となくわかっているのに、あと1歩が踏み出せない。それがもどかしい、と。片思いをしている女の子のあるあるだよね〜と慰めてみたけれど、私の声はまるで聞こえていない様子。

「彼との距離を縮める方法はないかな?」と真剣に聞かれ、あれこれ意見してみたけど、ある香水を思い出した。
「DAWN Perfume(ダウンパフューム)」のフレグランスは、天才パフューマーであるダウン・M・スペンサー・ヒュウィッツさんと「香りスタイリスト」の杏喜子さんの2人が手掛けるフレグランスブランド。独特な香りのブレンディングは一度嗅いだら忘れられなくなると、香りフェチの間で今人気のブランドだ。



人気香水のひとつ「Rain」は、雨上がりの街を歩いているような、記憶のページを呼び覚ます甘く切ないノスタルジックな香りに仕上がっている。今回、香りの構成は変えず、どこでも持ち歩けるようにロールオンタイプのフレグランスとして登場する。

早速使い始めてみると、私のまわりで変化があらわれた。不思議なことに、この香りをつけているとパーソナルスペースに入ってくる率が断然高い気がするのだ。初対面の人はもちろん、いつも打ち合わせをしているメンバーでも距離がグッと近くなったような気がする。

香りの評判は上々で、あるようでないような香りは男女ともに「好きな香り」と答える人が多い。中には「クンクンと鼻を押し付けて嗅ぎたくなる香り」と言っていた。
香りがもたらす効果はさまざまだけど、距離を縮める効果があるというのは聞いたことがない。

この不思議、どうやって解釈したらいいのだろう? 自分なりに考えてみたけれど、ロールオン(塗る)ということがカギになっているのかも……。スプレー式の香水ではここまで距離が近くなれないような気がするのだ。塗るとなると香り付けのスペースが狭くなるため、自分のまわりでしか香らない、いわば究極のアイデンティティー。この香りセンサーに気づいた人だけが歩み寄り、距離を縮めることになっているのでは?



恋愛においては、この付かず離れずの距離間とドキドキが重要なわけで、私の親友は「パーソナルスペースをどれだけ解放するかで女度が決まるんだと思う」と言う。「あれこれ理由をつけて人を寄せ付けずにいたら、せっかくのチャンスも逃してしまうよね」と。

あー、この感覚、よくわかる。
好きな人の50cm以内のパーソナルスペースに入り込めることって、ある意味「奇跡」。相手の懐に入ることも大事だけど、今の時代、香りのチカラを借りて10cm引き込むくらいのしたたかさがあってもいいのかもしれない。
この香りで10cmの奇跡を起こしてほしいという、おせっかいな姉ゴコロを含め、そっと「Rain」を手渡した。

余談だが、香りスタイリストの杏さんは香りのコーディネート以外に「パーソナルカウンセリング」をしてくれる。このカウンセリングは彼女の得意とするワザで、“肌の香りを嗅いでその人に似合う香水を選ぶ”というのだ。
私も受けたことがあるけど、香りに興味を持っている人はぜひ、受けてみて欲しい。自分の体のにおいを分析してくれるなんて、滅多にないんだから。

ダウンパフューム オイルパフューム レイン 10mL ¥3,800(税抜き)2018年10月1日全国発売/ダウンパフューム

(Text & Photo:長谷川真弓

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