2015.02.27
- tokyoalive
東京生活向上指南 Vol.07
東京マラソンとは違う、極上の東京RUN!
東京を走る、といえば今や「東京マラソン」。都心のあの街を、あの大通りを、車でも自転車でも歩いてでもなく、走る。時速10キロくらいのスピードで流れる、いつもと違う東京の景色を見ながら走るのはどんなに気持ちがいいだろうか(ああ、悔しい。走ったことがないから)。
でも、それとは違った、最高な東京の走り方がある。そして気づくとそれは不思議と、東京の水の流れとともにあることに気づく。
玉川上水。水の流れと生い茂る木々の緑の美しさ。井の頭公園周辺をはじめ、いいポイントはいくつかあるが、小金井公園から玉川上水駅の区間は特に気持ちのいいランニングコースだ。
江戸時代、今からおよそ360年前の1653年。拡大する江戸の街へ多摩川の水を飲料水として送るべく、この上水路はつくられた。昔も今の世も人の生活に欠かすことのできない水。玉川上水は江戸の街の発展に大きな役割を果たしたという。
多摩の羽村から四谷までの、フルマラソンの距離に近い全長43km。沿道を走れるのはその一部だが、今も残る美しい緑道は走るのに最高のコースだ。
時代は変わって江戸から東京へ。東京の飲料水供給を担うのは多摩湖(村山貯水池)。この周辺も東京ランナーにはとっておきのエリアだ。
人口が増加し続ける東京の新たな水源確保のため、多摩湖は1916年(大正5年)から1927年(昭和2年)までの10年の歳月をかけて建設された。
玉川上水と同じく羽村の取水堰で取り込んだ多摩川の水を、東京の中心部へと供給するのがその目的であった。
多摩湖から武蔵野市関町の境浄水場を結ぶ導水管の上は、多摩湖自転車道(狭山・境緑道)という緑道となっていて、これもまたいいランニングコースだ。
たとえば、こんな走り方がいい。花小金井公園駅に集合。温泉施設「お風呂の王様」に荷物を預けて(外にあるランナー用ロッカーが嬉しい)スタート。約8キロ先の多摩湖を目指し、多摩湖自転車道を行く。多摩湖に到着すると、ここからは湖を周回する10キロのコース。軽いアップダウンを楽しみながら走る、信号のないノンストップの快適コースだ(狭山公園、狭山緑地などを走れば、オフロードのトレイルラン、パークランも楽しめる)。
帰路は再び多摩湖自転車道。花小金井へ帰ろう。苦しいときには最終ゴール、温泉施設での風呂とビールを思いながら乗り越える(笑)。
江戸時代の上水路と近現代東京の上水路。実は玉川上水と多摩湖自転車道(狭山・境緑道)は、野火止用水という玉川上水の分水でつながっている(これらの水路の沿道は「小平グリーンロード」と呼ばれ、美しい散歩道として親しまれている。参照/小平グリーンロードホームページ)。地図を見て、水の流れを見て、この辺りはまだまだいろいろなコースが開発できそうだ。
東京の地図を眺めて風景を想像し、走るコースを考えるのはおもしろい。水の流れに注目。いいコースは水とともにある。
そしてもちろん、風呂とビールのゴール設定がとても重要だ。