Editor’s Eye
2017.04.11
- Editor’s Eye
これまでの肉料理に食べ飽きてない?
柔らかくてジューシーでさっぱり、こだわりの本格バーベキュー!
みなさんが、お肉を食べに行こうと思うのは、どんな時だろうか。
私は、とにかく元気が無くなった時や、疲れた時に「お肉食べたい!」と体が感じて、それはもう「ガッツリ」といただいていた。20代までは。
30代にはいってから、焼肉いくぞー!と意気込んでみるものの、一皿二皿過ぎると油にやられて胃もたれを起こし、ビールで無理やりすっきりさせている、今日この頃。もう、お肉は食べられないお年頃なのかしらん…と思いふけっていたら、バーベキューに誘われた。
バーベキューって、あの多摩川とかで若い男女が入り混じってキャーキャーお肉を食べる…いえいえ、そんな生易しいものではなく、アメリカの本格的なバーベキューを食べさせてもらえるお店だという。いぶかしげになりながらも、前日は油っぽいものを食べず、久しぶりに意気込んで向かった。
アジアNo.1の巨大な窯で肉を焼く
お邪魔したのは、麻布十番にある「DC BBQ(ディーシーバーベキュー)」。芝生でも川でもなく、こんな洗練された都会の街でバーベキューとは。外観はお洒落だがカジュアルな雰囲気で入りやすい。看板には攻撃的な目をした牛や豚、鳥がいて、食欲を奮い立たせてくれた気がした。
お店の中に入った瞬間、ふわっと肉の香りがした。そして真っ先に目に飛び込んできたのがこちらの機械。
これが、肉を焼く窯、その名もPITだ!
PITの全長は、4メートル、600キロ以上にもなる。
とにかく大きくて黒い存在感のある窯は、私が思っていた網で肉を焼くバーベキューのイメージは覆された。
そもそもアメリカなどで行われている本来のバーベキューとは、牛や豚の柔らかくない部分の肉を、90~115℃程度で長時間蒸し焼きにし、骨から簡単にとれるほど柔らかくなるまで調理すること
なのだそう。この本来のバーベキューを再現するため、DC BBQのPITは日本の職人が1年以上の歳月をかけて設計からつくりあげた、アジアでNo.1の大きさの窯だ。
しかし90〜115℃程度で一律調整しながら長時間焼くなんて、なかなか難しそうだ。機械で自動的に調整しているのかと思ったら、なんと手動で調整していた。
まずはPITの入り口に蒔をいれて燃やす。入り口の温度は200℃にもなるのだが、そこから肉のエリアに通る間に温度が下がっていき、90〜115℃で調整できるというわけだ。
温度のチェックは人の目でおこない、適温になっているか随時チェックしていく。下がっていれば蒔をいれる。それを12時間もの中で調整を繰り返していく。
機械にいれて、はい出来上がり、ではない。火と蒔だけを使い、人の手で作る。この丁寧で地道な作業で長時間焼き上げることによって、肉がほぐれるまでに柔らかくなるのだ。