Editor’s Eye
2016.10.28
- Editor’s Eye
スターバックスで体験できる、コーヒーとフードの素敵な関係
コーヒーを飲むとき、甘い物を一緒に食べる人も多いと思うが、その相性(フードペアリング)を考えながら選んだことはあるだろうか? スターバックスでは、コーヒーとフード、それぞれのおいしさを引き立て、尊重し合う“素敵な関係”をフードペアリングと定義している。そして、そのベストマッチな組み合わせを探し当てるため、スターバックスが陰ながら取り組んでいる会議があるというので、潜入取材させてもらうことにした。
極秘で行われるフードペアリング会議とは?
某月某日、その会議は本社のテイスティングルームで開催された。未発表の商品のテイスティングが行われるため、黒いカーテンを閉め切った部屋にゾロゾロと人が集まってくるのだが、参加者全員がブラックエプロンを身に纏っており、まるで秘密結社のような厳かな雰囲気が漂う。スターバックスでは、年に数回コーヒースペシャリストとフード開発担当が集まり、新商品のフードに合うコーヒーを探したり、既存のペアリングに変更がないかを確認したりする会議を行っている。
コーヒーの風味確認からスタート!
テーブルの上にはスターバックスが取り扱っているコーヒーがずらり。定番の豆から季節限定の豆、スターバックス リザーブ®まで、その数15種類以上。まずはこれらのコーヒーの風味確認から行われる。スプーンでコーヒーをすくい、ズズッと音を立ててすすり、香りや味わいを確かめたら口に含んだコーヒーをカップに吐き出す。
すべてのコーヒーの風味を確認したら、フードの開発担当から新商品の説明が行われる。パンの素材、具材の調理法、ソースの味つけなどの解説を受けてからテイスティングをするのだが、プロたるものいきなりかじりつくことはない。サンドイッチであれば、パンを開いて断面の香りを確かめ、風味が口の中に均等に広がるようにわりと大口でしっかりと味わう。フードが口の中にある状態でコーヒーを味わい、お互いの風味が高まっていることを感じたらペアリング成功となる。
“素敵な関係”を見つけるには過去の蓄積が重要
これが見ていると実におもしろい。やみくもにコーヒーを試飲するのではなく、コーヒースペシャリストの中では、フードを食べた瞬間に、それに合うコーヒーの目星がすでにあり、例えば、シナモンロールなら力強い風味のダークローストの中から的を絞って数種類味わう。念のためバランスのとれた風味のミディアム ローストのコーヒーも飲んでみるのだが、それは確認のため。それから再度フードを口に含み、季節のコーヒーやスターバックス リザーブ®のコーヒーを味わう。そして、ノートにコーヒーとフードの相性や感じたことをメモする。テーブルの上には、ロースト順にコーヒーが並べられているのだが、みんなが同じコーヒーに集結するのが興味深いところ。訓練を重ねてきた人の舌は、一種の科学的証明に近いものなのかもしれない。
今回10種類程度のフードに合うコーヒーを探したのだが、見事フードペアリングが成功したのは3種類のみ。サンドイッチのパンが変わっただけで、これまでペアリングとされていたコーヒーとの関係が少しずれたり、全く同じ商品でも、農作物であるコーヒーの味わいが微妙に変化することで、これまた関係がずれたりしてしまったりするそうだ。なんだか昨今の婚活事情のような厳しい現状を思い知らされる結果となった。しかし、それだけ厳選されたスターバックスのフードペアリングは、間違いなくおいしいことの証でもある。
今回フードペアリングが認定されたものの中でオススメは、
FOOD: フィローネ ハム&マリボーチーズ
COFFEE: スマトラ
マリボーチーズのまろやかな風味やなめらかなコクが、『スマトラ』がもつなめらかなコクや素朴な風味とバランスのいい、深みのあるペアリング。
FOOD: フィローネ ハム&マリボーチーズ
COFFEE: スマトラ
FOOD: シナモンロール
COFFEE: スマトラ or スターバックス® クリスマス ブレンド
シナモンロールのフィリングにあるシナモンの風味と『スマトラ』のもつスパイシーな風味が相性良く、シナモンロールのしっとりした生地感と『スマトラ』のコクのバランスもいい、心地よいペアリング。
FOOD: シナモンロール
COFFEE: スマトラ or スターバックス® クリスマス ブレンド (11月1日発売予定)
「本日のドリップ コーヒー」でこれらのコーヒーがあった日には、ぜひ試していただきたい。
ない場合は、コーヒープレスで提供してくれる、プレスサービスを頼んでみても。また、バリスタにフードペアリングを聞けば間違いはなく、いつものスターバックスのフードが、何倍もおいしく感じられることだろう。