鎌倉老舗カフェ「侘助」に
世界の植物を集めた庭が完成
2016.06.20
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北鎌倉駅前で創業40年の老舗喫茶店「侘助」が30年ぶりの改装。日本の石を積み、世界の植物を集めた和洋混合の庭は鎌倉の庭師「植徳」によるもの。この改装を記念して故・小津安二郎監督の北鎌倉別邸から譲り受けた古材を用いたテーブルも贈られたという。
「侘助」の開店は午後日差しが柔らかくなってから、閉店時間は適当と気ままながら、界隈では深夜まで空いている唯一の店。文士、作家、編集者、アーチスト、職人達が集まり杯を傾ける鎌倉のサロンとしての一面も果たしている。一部老朽の激しい建物の修復に伴い3代目店主・菅村陸郎氏は奥の座敷と壁を撤去。先代店主達の手仕事を引き継ぐ意匠のまま客席を拡張、奥をガラス戸として庭の造営を決めた。
新店舗は「侘助」の持つ歴史と多様性をテーマに、洋の東西を問わず様々な石と植物を用いながら、店内から一幅の絵として眺められる庭を設計。敷石に廃材として出た鎌倉石、積み石に美濃石、小屋の壁面に根府川石を使用した。植栽についてはメキシコからサボテンやラン、オーストラリアからプロテアなど、そしてアメリカから珍しい枝垂れのラクウショウを植えている。小津ファンでなくとも、一度は訪れてみたい喫茶店だ。
喫茶 侘助
神奈川県鎌倉市山ノ内1342-2
0467-22-9508