「五木田智央 THE GREAT CIRCUS」展
2014.09.25
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- 会場風景 Photo by WATANABE Reiko
イラストレーションの分野で特異な才能を発揮し、90年代以降のサブカルチャーに大きな影響を与えてきた五木田智央の展覧会「五木田智央 THE GREAT CIRCUS」展が、12月24日(水)まで千葉・佐倉市のDIC川村記念美術館にて開催されている。
高校時代の作品から、最新作まで
バリエーション豊かな作品群が一堂に
ラストレーション作品はもとより、大型のカンヴァス作品を10年以上にわたり発表し続け、海外の美術関係者からも高く評価されている五木田智央。2014年1月にアメリカ・ニューヨークで開催されたメアリー・ブーン・ギャラリーでの個展も大成功をおさめ、サブカルチャーのみならず、現代アートの世界でも高い注目を集めている。
そんな五木田氏の国内の美術館では初となる大規模な展覧会「五木田智央 THE GREAT CIRCUS」展が、千葉・佐倉市のDIC川村記念美術館で現在開催されている。
今回同展のために制作された最新作を含め、未発表のドローイングや国内初公開となる大型作品など、多彩な作品約100点が集められた。
五木田氏が高校時代に描いたという油絵の抽象画を皮切りに、これまで一度も公表されなかった30点1組のグラファイトによる素描シリーズや、ほのかな温かみのある色彩で描かれたペーパーワーク。新聞の折り込み広告やスポーツ新聞に着想を得て描いたという小さな額の集合体から、型紙を使いアクリルエナメルでスプレーペイントしたステンシルの大型作品。
さらには、青を基調とした抽象的な作品から、近年に描かれたカンヴァスにグワッシュを用いたモノクロのシュールな人物像にいたるまで、ひとりの作家の手によって生み出されたとは思えないほど、バリエーション豊かな作品群が会場の各スペースに配されている。
ほとんどの作品が海外のコレクターの手元にあるため、「売れてしまった作品は『ベッドルームに飾ってあるから』といった個人的な理由などで借りてくるのはなかなか難しかった」そうだが、「いろいろと粗は見えるけど、今トータルで見ると全然オッケーですね。『今は描けないなー』とか、『なんでこんな作品が描けたんだろう』と思うものもあれば、『この時は暗かったなー、オレ』と鮮明に覚えている作品もあったりして、ほんとに不思議な気分です」と、展覧会開催にあたっての心境を率直に語ってくれた五木田氏。
これまでの集大成ともいえる今回の展覧会を経て、またあらたな世界へと突き進む五木田氏から、今後ますます目が離せそうもない。「五木田智央 THE GREAT CIRCUS」展は、12月24日(水)までDIC川村記念美術館で開催中。
「五木田智央 THE GREAT CIRCUS」展
会場|DIC川村記念美術館
千葉県佐倉市坂戸631
会期|8月31日(日)~12月24日(水)
開館時間|9:30-17:00(入館は16:30 まで)
休館日|月曜(ただし9/15、10/13、11/3、11/24 は開館)、9/16(火)、10/14(火)、11/4(火)、 11/25(火)
入館料|一般1200 円(1000円)、学生・65歳以上1000 円(800 円)、小中学生・高校生 500円(400円)
※( )内は20 名以上の団体料金
http://kawamura-museum.dic.co.jp
1969 年東京都生まれ。2000年、リトルモアより作品集『ランジェリー・レスリング』を出版。カルト的な人気を集める五木田の初期作品は、おもに紙に即興的に描かれたドローイングであり、展覧会の場で発表されるだけでなく、むしろイラストレーションとして、また美術系雑誌を媒体として数多く発表されている。近年に描かれたカンヴァスにグワッシュを用いた白黒のシュールな人物像は、いち早くニューヨークやロサンゼルスで注目され、現在は美術の世界にとどまらず音楽・出版・ファッションなど各方面に活躍の場を広げている。
OPENERSより
ART|イラストレーション界の特異な才能
http://openers.jp/article/796804