『やさしい女』がデジタル・リマスター版で
復活!4月4日(土)公開

2015.04.03

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やさしい女

文豪ドストエフスキーの短編小説をロベール・ブレッソン監督が映画化した1969年の名作『やさしい女』。待望のデジタル・リマスター版が4月4日(土)より、新宿武蔵野館ほかで全国順次ロードショーされる。

弱冠17歳のドミニク・サンダが
苦悩する若妻を体現

ドストエフスキーの短編のなかでも最高傑作と呼ばれる『やさしい女 幻想的な物語』。年の離れた一組の夫婦から人を愛することの意義を問いかけるこの名作をブレッソン監督は、原作のプロットを守りながらも物語の舞台をロシアから1960年代後半のパリへと移し、大胆な翻案を試み、『やさしい女』として発表した。

また本作はモノクロの厳格な画面づくりをつづけてきたブレッソン監督の、記念すべき初カラー作品としても有名。日本では1986年の公開以来ほとんどの上映機会がなく、ソフト化もされていない貴重な作品がデジタル・リマスター版でよみがえる。

孤独な女を演じるのは、当時まだ17歳だったドミニク・サンダ。雑誌『ヴォーグ』でモデルをしていたところをブレッソン監督に見出され本作で映画デビューを果たした。自らも15歳で年上の男性と結婚し、数カ月で離婚という経歴をもつサンダは映画初出演ながら、年上の夫を翻弄しながらも苦悩する女を見事に演じている。

妻の眼差しの変化に気づいたときの
夫の心中とは?

質屋を営む中年男は「彼女は16歳ぐらいに見えた」と、妻とのはじめての出会いを回想する。安物のカメラやキリスト像を質に出す、貧しいながらも若く美しい女と出会った男は彼女を説き伏せて結婚するのだった。

質素ではあるが、順調そうに見えた結婚生活。しかし、妻の眼差しの変化に気づいたとき、夫の胸には嫉妬と不安がよぎる。

極端なまでに台詞を排し、男女の視線で進められる物語。一組の夫婦に起こる感情の変化と微妙なすれちがいを丹念に描き、夫婦とは、愛とは何かという根源的な問いを投げかける。

Text by YANAKA Tomomi

『やさしい女』
4月4日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・脚本│ロベール・ブレッソン
出演│ドミニク・サンダ、ギイ・フランジャン
配給│コピアポア・フィルム
1969年/フランス/89分
http://mermaidfilms.co.jp/yasashii2015/

OPENERSより
MOVIE|文豪ドストエフスキーの短編を映画化した1969年の名作が蘇る
http://openers.jp/article/942352

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