美食大陸オーストラリア Spin Off
ビクトリア州 メルボルン(1)
2015.11.01
- CLIPPING
「オーストラリアはおいしい!」。それを確かめるべく豪州大陸を「美食」をキーワードにめぐった特集が「美食大陸オーストラリア、美食とワインをめぐる旅へ」。特集はコンプリートしたが、実は一番取り上げたかった究極のグルメエリアが入っていなかった。それがビクトリア州だ。今回はスピンオフ企画として、最先端ガストロノミー体験と、魅惑の食をめぐる旅をお届けする。
一日に四季がある気候と豊かな大地が生み出すハイクオリティな食材
ビクトリア州は、シドニーに次いで人口の多い州都メルボルンを中心とする、オーストラリアを代表するエリア。豪州大陸の南に位置し、うつくしい公園や海岸線に彩られた自然ととけあう環境。「一日に四季がある」といわれるほど表情豊かで、日本人好みの情緒がある。そして、この環境こそが優れた食材を生み出す源なのだ。
ビクトリア州といえば、ワイン好きは外せないプレミアムワインの宝庫である。ヤラバレーを筆頭に、キングバレー、スワンヒル、ラザグレインなど個性的な産地が点在。好評価を受けるワインも少なくない。さらにワインだけでなく、野菜、フルーツ、精肉、ジビエ、シーフード、乳製品など、豊かな大地が生み出すビクトリア州産の製品は国際的にも評価が高く、その味わいはときに言葉を失うほど。ビクトリア州をこよなく愛するシェフたちも多く、おのずと名レストランが顔をそろえているというのも納得だ。
それをリアルに実感できるのが、メルボルンでの美食体験にほかならない。
世界が認める美食都市メルボルンをフードライター同行の食探訪ツアーで満喫
メルボルンは間違いなくオーストラリアを代表するグルメシティだ。前述したように食材の豊かさ、プレミアムワインの産地を抱え、シェフが望むクオリティの高い食材が手に入る環境は貴重だ。しかも、生産地は市内からクルマで数時間のエリアに広がる。シーフードなどは、20分もクルマを飛ばせばコーストラインで手に入る。
また、美食だけでなくファッション、アートなど文化度の高い都市でもあり、クリエイターたちも多く輩出。さらに学生街という顔をもつほか、チャイニーズ、ベトナム、イタリア、ギリシャなど、多様な国民性を持ったマルチカルチャーな文化圏でもある。このさまざまな異なった文化、環境によってフードカルチャーも必然的に多様化するわけだが、食にうるさいグルメを満足させる食材が近距離に広がるサスティナブルさも、メルボルンの特徴だと言える。
そのメルボルンで最新の食のトレンドをキャッチするにはどうしたらいいか。レストランを探す場合はまず、地元新聞『The Age』が毎年発行するThe Age Good Food Guideを参考にしたい。ミシュランのような格付けで、星の代わりに「シェフの帽子」であらわされ、帽子3つが最高。このほか、あたらしく誕生した期待のレストランなども網羅。またメルボルンだけでなく、地方のレストランもカバーしているので頼りになる一冊だ。
そして今回、私が参加したのが元料理人で『オーストラリアン・グルメ・トラベラー誌』などに寄稿、多数のグルメ本を執筆するジャーナリストでもあるアラン・カンピオン氏が主宰するMelbourne Food Experiences。世界で食べ歩き経験を積んだあと、2004年からグルメツアーをスタート。カップルや個人参加というプライベートなスタイルから小人数のグループまで、さらに観光客からプロ級の料理愛好家、フーディーたちまで幅広く対応。彼の奥深い知識と料理界での顔の広さを活かし、バラエティに富んだメルボルンの食の魅力を、食べ歩きながら学ぶツアーを催行している。
たとえば、カンピオン氏イチオシのレストラン、カフェなどをホッピングするフードツアーのほか、話題のレストランでのコース料理を含んだグルメツアー、カクテル&バーをめぐるもの、アート&フード、さらにはチョコレートづくり、クッキングクラス、マーケット探訪などまさにメルボルンの食の魅力を網羅する内容になっている。そして、今回はそのなかでもお勧めという場所を紹介してもらった。
The Age Good Food Guide(ジ・エイジ・グッド・フード・ガイド)
http://www.goodfood.com.au/good-food/good-food-guide/the-age-good-food-guide-2015-the-hats-20140825-3e99v.html
Melbourne Food Experiences(メルボルン・フード・エクスペリエンス)
http://www.melbournefoodexperiences.com.au/
OPENERSより
美食大陸オーストラリア、美食とワインをめぐる旅へ|ビクトリア州 メルボルン(1)|特集
http://openers.jp/article/1407571