シルヴァン・ショメ監督待望の実写初長編
『ぼくを探しに』
2014.08.04
- CLIPPING
- © 2013 EUROWIDE FILM PRODUCTION-PATHE PRODUCTION FRANCE 3 CINEMA-APPALOOSA DEVELOPPEMENT
幼い頃の両親の死により、言葉を話すことができない青年が記憶の底にある本当の過去を見つけ出し、あたらしい人生の扉を開くハートウォーミング・ストーリー『ぼくを探しに』。8月2日(土)よりシネマライズ、シネ・リーブル池袋ほか全国公開される。
プロデューサーは『アメリ』を手がけたクローディ・オサール氏
ティム・バートンや、ジャン=ピエール・ジュネ、テリー・ギリアムらアニメーション出身の個性派監督たちのなかにあらたな才能がくわわった。『ベルヴィル・ランデブー』(2002 年)、『イリュージョニスト』(2010年)で、アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされたシルヴァン・ショメによる初の長編実写映画がいよいよ公開される。
ショメ監督は過去2作の日本盤DVDをスタジオジブリがリリースするなど、彼が生み出すユニークな世界観は、国内外で高い評価を受けてきた。そんな彼がはじめて実写を撮影したのはオムニバス映画『パリ・ジュテーム』(2006年)のなかの短編『エッフェル塔』。その際のプロデューサーが『アメリ』を手がけたクローディ・オサール氏だったのだ。このタッグをきっかけにショメ監督の才能にほれ込んできたオサール氏が本作でもプロデュースを務めている。
本作は、ショメ監督が『ベルヴィル・ランデブー』のサントラで使われた曲『アッティラ・マルセル』にインスピレーションを得るいっぽう、フランスの文豪マルセル・プルーストの名作『失われた時を求めて』のエッセンスを織り交ぜながらストーリーを執筆。
台詞がないポール役をギョーム・グイが表現力豊かに熱演。またフランス映画界の実力者たちが演じる個性豊かなキャラクターにくわえて、主人公の記憶のなかで繰り広げられるミュージカルやダンス、不思議な“カエル楽団”の演奏など、バーレスクな楽しみに満ちた音楽と映像が一体となった演出にも注目したい。
謎めいたマダムと出会い、過去の記憶が呼び覚まされるポール
幼い頃に両親を亡くし、そのショックで言葉を話すことができないまま大人になったポール。ダンス教室を経営している姉妹の伯母に世界一のピアニストになるよう育てられたポールは、友達もいない孤独な日々を送っていた。
そんなある日、ポールは、おなじアパルトマンに住む謎めいた女性、マダム・プルーストに出会う。彼女が淹れたハーブティはポールの忘れた記憶を呼び覚ます不思議なちからをもっていたのだ。なくしたはずの過去は、固く閉ざされたポールの心を揺さぶり、彼の人生は少しずつ変化していく。
カラフルで切なくて、シュールな毒を漂わせながら、『アメリ』など、フランス映画ならではのエスプリを漂わされる本作。フランス映画界を担うであろう、ショメ監督の才能を存分に感じることができる作品だ。
『ぼくを探しに』
8月2日(土)よりシネマライズ、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
監督・脚本│シルヴァン・ショメ
出演│ギョーム・グイ、アンヌ・ル・ニ、ベルナデッド・ラフォン、エレーヌ・ヴァンサン、ルイス・レゴ、ファニー・トゥーロン
配給│トランスフォーマー
2013年/フランス106分
OPENERSより
MOVIE|言葉を話せない青年をめぐるフランス発のハートウォーミング・ストーリー
http://openers.jp/culture/tips_movie/news_bokuwosagashini_47011.html