第87回アカデミー賞
注目の受賞作品を一挙紹介!(1/2)
2015.02.26
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2月22日夜(日本時間23日朝)、アメリカ・ロサンゼルスでおこなわれた第87回アカデミー賞授賞式。授賞式までの1年間、アメリカ国内の特定地域で公開された作品を対象に、6000人以上とされるアカデミー会員の投票によって受賞者を選出する。『博士と彼女のセオリー』『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』に象徴される伝記物、ひとりの少年の成長と家族の軌跡を、12年の歳月をかけて撮影したドラマ『6才のボクが、大人になるまで。』や、全編1カットかと見紛うほど、巧みなカメラワークと計算され尽くした演技で魅せる『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』など、斬新な手法で撮影した意欲作が目立った今年。世界が注目する舞台で、オスカー像を手にしたのは?
作品賞/監督賞/撮影賞/脚本賞
© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved. 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
製作国:アメリカ
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(Alejandro González Iñárritu)
撮影:エマニュエル・ルベツキ(Emmanuel Lubezki)
2015年4月10日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
異彩を放つ“ダークホース”が4冠に輝く
『バベル』『アモーレス・ペロス』など、シリアスな人間ドラマで知られるアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が、自身初となるダーク・コメディに挑戦。ヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優のリーガンが、再起をかけてブロードウェイに挑む姿を、『バットマン』シリーズのマイケル・キートン主演で描いてみせた。「わたしは以前から、40歳をすぎたら自分が怖いと思わないことは“やる価値がない”という意見だ。この作品はいい意味で怖かった。あたらしい領域であり、まちがいなくわたしは安全地帯の外にいた」と振り返るイニャリトゥ監督。その言葉通り、本作で彼はオープニングからラストまで全編1カットかと見紛う、前代未聞の流れるようなカメラワークを採用。これは『ゼロ・グラビティ』の臨場感溢れる宇宙映像で、2014年にもアカデミー賞撮影賞を受賞した敏腕、エマニュエル・ルツバキによるもの。ふたりの天才が初のタッグを組んで生み出した、映画史をひっくり返す最高傑作。「ホラーとコメディ、そしてSFはアカデミー賞を獲れない」というジンクスをも覆し、今年のアカデミー賞最多タイとなる4冠に輝いた。
作品主演男優賞
エディ・レッドメイン『博士と彼女のセオリー』
製作国:イギリス
監督:ジェームズ・マーシュ(James Marsh)
2015年3月13日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
「このオスカー像はALSと闘うみなさんたちのもの」
ALS(筋委縮性側索硬化症)という難病を抱えながらも、宇宙の起源の解明に挑み、現代宇宙論に多大な影響を与えつづける車椅子の天才物理博士、スティーヴン・ホーキング。そんな彼の側には、学生時代に出会った女性、ジェーンの存在があった。出会いから結婚、出産……。歳月を重ねるごとに増す試練にも強固な愛の力で立ち向かっていくが、ときに壁に突き当たり、限界を感じ、自分たちの無力さに打ちひしがれるふたり。『博士と彼女のセオリー』は、彼らの苦悩と純愛を描いた感動のヒューマン・ラブストーリーだ。見事、主演男優賞に輝いたエディ・レッドメインは、感慨深い面持ちで「このオスカー像はALSと闘うみなさんたちのものです。スティーヴン、ジェーン、そして子どもたち。みなさんの代わりに責任をもってこの像を管理します。毎日磨いて大切にしますから、安心してくださいね」と語った。