Editor’s Eye

2015.03.20

Editor’s Eye
s_寄せアクリルの小箱

[急告!] “俵藤ひでと
アクリルのリアル/2002〜2015” 展

「俵藤ひでと」は、アクリル職人であると当時に、アクリルを使った造形の可能性を追求する作家でもある。彼のこれまでの歩みは、商業施設の看板や照明、などなどコマーシャルベースのものと、遊び心のある作品作りと二つの表現手段を用いて、“アクリル”という極めて工業的な素材の持つ特性を少しずつ広げてきたように思う。
アクリル自体は極めてありふれた素材であると同時に、常に何かの代用(特にガラス)という不遇を強いられてきたように思う。が、俵藤はアクリルを熟知しているだけに(彼の実家はアクリル加工業だ)、アクリル自体にしかできない可塑性の持つ自由度を独特のユーモアのセンスで表現してきたのだろう。そこには、なぜだかわからないが、「アクリル愛」のようなものがあって、彼がアーティストとは名乗らずアクリル職人という肩書きを捨てないことからも観て取れるのではないか。
さて、そんな俵藤のこれまでの作品(作家としての)を俯瞰しようというのが本展だ。Delivery Worksというユニット名で展開してきた様々な立体物(その中にはプロダクト化されたもの習作、失敗作も含まれる)が展示される。
あらためて“アクリル”の持つ“リアル”という親近感のようなものが満ち溢れているのではないか。

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3月20日金曜から3月22日の日曜までという短い期間なだけに、見逃さずに自分たちの日常にある素材の大いなる冒険を堪能しに行くのも悪くない。


“俵藤ひでとアクリルのリアル/2002〜2015” 展
会期:2015年3月20日(金)〜 3 月22日(日)
12:00~20:00( 最終日 18:00)
場所:GOSARO
東京都渋谷区恵比寿西 1-16-1 丸山ビル 2F
お問い合わせ: hideto@delivery-works.com


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俵藤 ひでとひょうどう・ひでと
アクリル職人・デザイナー・作家
㈲ひょうどう工芸取締役。2002年、デリバリーワークス―クス設立。
2004年、NPO法人現代手工業乃党 設立、理事。
アクリルを中心にプロダクトからアートピース、伝統文化から店舗什器まで、領域を選ばず立体物のデザイン及び製作を行なう。
多摩美術大学環境デザイン科・素材実習講師。
1972年生。
http://modern-mp.com/deliveryworks/

(Text: Y. Nag)

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