3代目へと進化した新型スマート フォーツーに試乗
2015.12.21
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都市内の交通環境の改善策として開発された「スマート」。その3代目においても、ミニマルな外寸や、トリディオン・セーフティセルと呼ばれるボディ構造など、従来モデルを踏襲している。とはいえ、先代に比して全幅が100mm拡大し、エクステリアデザインも大きく変更されたのが印象的だ。4人乗りの「フォーフォー」に先んじて日本に導入された「フォーツー」に、モータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗した。
50mm短縮された全長と、100mm拡大された全幅
もっとも小さい輸入車、スマートがフルモデルチェンジを受けた。日本発売は、2015年10月28日より。でも変更内容は小さくない。2人乗りの「fortwo(フォーツー)」と、4人乗りの「forfour(フォーフォー)」という陣容。前車はすでに路上を走りだしている。後者は2016年1月以降、日本市場に導入される予定だ。プラットフォームがあたらしくなるいっぽう、ミニマムな外寸というコンセプトとエンジンを後輪より後ろに搭載するレイアウトは引きつづき採用された。
forfourは、ルノーにシャシーを提供して、欧州では新型トゥインゴ(2015年の東京モーターショーで展示された)として販売されている。かつて三菱自動車と提携し、三菱「コルト」のシャシーをベースに製造されていたのと、立場が逆になったということができる。日本市場では、しばらく販売の空白期間があったが、「“万一のために”と、こちらのほうが販売台数増が見込める」と、輸入元のメルセデス・ベンツ日本ではしている。
今回試乗に供されたfortwo。外観がぐっとあたらしくなった。スマートの親会社であるメルセデス・ベンツが「1.5ボックス」と呼ぶように、従来と較べてボンネットの存在感が強調されている。これは歩行者安全性を考慮した法規に従った結果だろう。全長2,755mm、全幅1,665ミリ、全高1,545mm(タワーパーキングも使える)。全長は従来より50mm抑えられたのに対して全幅は100mmも拡大している。印象としては、マッシブだ。
従来と同様、トリディオン・セーフティセルと呼ばれるシャシー構造が採用されている。通常のクルマのように構造材を外板で完全に覆っていない。構造の一部がリアクォーターピラーとして外部に出てくるというデザインが継承されている。この“セル”の部分と、構造材にならない部分とを塗り分けるカラースキームも、新型fortwoで採用されている。
形式はともかく、構成部材の見直しなどで、強度を高めると同時に、軽量化と衝突安全性の高さをバランスさせたトリディオン・セーフティセル。恩恵として、操縦性向上と、同時に軽量化による好燃費があげられている。
果たして操縦すると、意外な驚きが待っていた。
OPENERSより
3代目へと進化した新型スマート フォーツーに試乗|smart
http://openers.jp/article/1428336