音楽ドキュメンタリー
『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』

2014.09.26

CLIPPING
665388-1 © Idéale Audience & Intermezzo Films.

現代クラシック音楽界におけるもっとも偉大なピアニスト、マルタ・アルゲリッチの素顔に迫る音楽ドキュメンタリー『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』が9月27日(土)よりロードショーされる。

企画・構想3年──実の娘だから写し出せた“女神”の素顔

子供の頃から類稀な才能を発揮し、16歳にして“生ける伝説”と呼ばれたピアニスト マルタ・アルゲリッチ。麗しい美貌からは想像もつかないほどの力強く圧倒的な演奏で、約50年以上にわたりクラシック界の“女神”として君臨しつづけている。

しかしその一方で、急な演奏会キャンセル、父親違いの3人の娘など、スキャンダラスな私生活、気分屋で情熱的な性格は有名で「奔放な性格も彼女の芸術の一部」と称されている。本作ではそんな彼女のこれまで明かされる事のなかった極めてプライベートな部分に迫り、核心を掘り下げてゆく。

監督を務めたのはマルタ・アルゲリッチの娘、ステファニー・アルゲリッチ。プライベートな家族ビデオにくわえて“実の娘”のカメラは、生まれ故郷ブエノスアイレス、現住所のあるスイス、日本、フランス、ポーランドなど、さまざまな場所にいる彼女を見つめる。

生まれてからマルタと一度も一緒に暮らしていない長女リダ。忙しい母の代わりに妹の面倒をみた次女アニー。そして、子供の頃から母をファインダー越しに見つめていた三女ステファニー。母と有名ピアニスト、両方のマルタを知る娘たちの想い。これまで明かされることのなかった演奏会の裏側。あまりにも有名なピアニストとして、そして母として生きるマルタ・アルゲリッチの孤独や葛藤とは。

一見特別な母を持つ特別な家族の物語に見えるが、やがてそれは普遍的な家族の問題と重なり、人びとの共感を呼ぶことだろう。
Text by KUROMIYA Yuzu

『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』
9月27日(土)よりロードショー
監督|ステファニー・アルゲリッチ
出演|マルタ・アルゲリッチ、スティーブン・コヴァセヴィッチ、シャルル・デュトワ、リダ・チェン
配給|ショウゲート
2012年/フランス・スイス/96分/原題『BLOODY DAUGHTER』

OPENERSより
MOVIE|娘の視点から偉大なピアニスト、マルタ・アルゲリッチを追う
http://openers.jp/culture/tips_movie/news_argerich_48439.html

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