奇跡のドキュメンタリー
『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』
2015.10.19
- CLIPPING
もし彼女が自分の作品を世間に公表していたら、20世紀の写真史を変えていたかもしれない。謎の女性写真家の発見に至るまでを描いた奇跡のアート・ドキュメンタリー『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』が、10月10日(土)よりロードショーされる。
いま明らかになる、ひとりの人間の時を超えて知る生きざま
きっかけは2007年、アメリカ・シカゴ在住のジョン・マルーフが、オークションで手に入れた写真をブログにアップしたこと。すると熱狂的な賛辞がたくさん寄せられたのだ。この発見を世界の主要メディアが取り上げ、発売された写真集は全米売上1位を記録する。
撮影者の名はヴィヴィアン・マイヤー。すでに故人で、職業は元ナニー(乳母)。15万枚以上の作品を残しながら、生前1枚も公表することがなかったという。
ナニーがなぜこれほど優れた写真が撮れたのか? どうしてだれにも作品を見せなかったのか? 深まる謎を解こうと、ジョン・マルーフは彼女の生涯をたどる旅を開始。その一部始終を、みずからの手でドキュメントしたのが本作だ。
ジョン・マルーフは入念にリサーチを進め、生前のヴィヴィアン・マイヤーを知る人たちにインタビューを実施。ミステリアスなベールに包まれた彼女姿を紐解いていく。
監督はネガを発見した張本人ジョン・マルーフと、『ボウリング・フォー・コロンバイン』などでプロデューサーを務めたチャーリー・シスケル。第87回アカデミー賞、長編ドキュメンタリー賞ノミネートをはじめ、世界中の映画祭で多くの賞を獲得するなど、あらたなアート・ドキュメンタリーの傑作として賞賛を受けた
亡くなってから見出された天才写真家の生涯
2007年、シカゴ在住の青年がオークションで大量の古い写真のネガを手に入れた。その一部をブログにアップしたところ、熱狂的な賛辞が次から次へと寄せられる。
だがその撮影者、“ヴィヴィアン・マイヤー”の名前を誰も聞いたことはなく、ネットで検索しても一件もヒットしない。2年後の2009年、彼女の名前を再び検索したところ、今度は奇跡的にヒット。だがそれは、彼女が数日前に亡くなったという死亡記事だった。
ついに彼は彼女を知る人物とのコンタクトに成功するが、意外な事実を知ることになる。彼女の職業は、写真家ではなくナニー(乳母)だったのだ。
はたしてヴィヴィアン・マイヤーとは何者なのか? 彼女を探す旅がはじまった。
『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』
10月10日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
監督・脚本|ジョン・マルーフ、チャーリー・シスケル
キャスト|ヴィヴィアン・マイヤー、ジョン・マルーフ、フィル・ドナフュー
配給|アルバトロス・フィルム
2013年/アメリカ映画/83分/原題『Finding Vivian Maier』
http://vivianmaier-movie.com
『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』トークショー
日程|10月15日(木)・16日(金)
時間|19:15の回上映後
ゲスト|15日=ヴィレッジ・ヴァンガード下北沢 長谷川郎、16日=NADiff NADiff a/p/a/r/t 平野有優
会場|シアター・イメージフォーラム
東京都渋谷区渋谷2-10-2
問い合わせ先
シアター・イメージフォーラム
Tel. 03-5766-0114
http://www.imageforum.co.jp/theatre/
OPENERSより
発見された驚異の才能、ヴィヴィアン・マイヤーの謎に迫る|MOVIE
http://openers.jp/article/1355107