ネルホルの展覧会『ATLAS』と
『Scenery, Scene | 風景と景色』が開催中

2014.10.30

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nerhol

現代の資本主義社会、経済活動が生み出す消費と生成、忘却という巨大なサイクルを突く作品を発表しつづけるアーティストユニット、ネルホルの個展が、六本木と表参道で同時に開催されている。

過去の作品を見つめ直し、再構築した2つの展覧会

ネルホルはアイデアを練る人、田中義久と掘る(彫る)人、飯田竜太で結成されたアーティストユニット。国内外の展覧会での参加を重ねるなかで、消費と生成、忘却という巨大サイクルの急所を突く作品を制作しつづけている。近年、国内外で評価が高まりつつある2人は現在、青森県八戸市を拠点に活動している。

六本木のIMA galleryで『ATLAS』が11月30日(日)まで、表参道のgallery EYE OF GYREで『Scenery, Scene | 風景と景色』が11月20日(木)まで開催されている。

『ATLAS』では、過去発表した作品群を再構築し、あらたに1つのコンセプトとして集約してハードカバーの書物の形にまとめた約40点を展示。被写体と向き合い、数分の間に200回シャッターを切る。それらの写真をすべてプリントして重ね合わせ、彫り込むことで、被写体の姿に迫ろうとする。ネルホルは展覧会に対し、「ぼくらは、“彼ら”の姿に迫ろうと試みるが、まるで手から零れ落ちていく水のよう に、“彼ら”は僕らから遠く離れていく。まるで人が書き紡いできた物語が、書けば書くほどに、書き記すことのできないものを浮かび上がらせてきたように」とのコメントを寄せている。

また表参道のEYE OF GYAREでは『Scenery, Scene | 風景と景色』を同時に開催。写真の時間的要素や画面の表層的要素を、なるべく削ぎ落した簡潔的行為で作品を制作してきたネルホル。この方法で制作された作品は、それぞれの素材が持つ要素を変容させ、元の要素から大きく離れた物質となっていると定義したうえで、「その物質感をもう一度再考し、制作された作品の別の要素を多角的に解釈できるような空間を構成することが今回の試み」とコメントしている。

Text by OPENERS

『ATLAS』
日程|10月16日(木)~11月30日(日)
会場|IMA CONCEPT STORE内 IMA gallery
住所|東京都港区六本木5-17-1 AXIS Bld. 3F
Tel. 03-5572-7144

『Sceanary,Scene|風景と景色』
日程|10月16日(木)~11月20日(木)
会場|EYE OF GYRE
住所|東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
Tel. 03-3498-6990

OPENERSより
ART|アートユニットが六本木と表参道で展覧会を同時開催
http://openers.jp/culture/tips_art/news_nerhol_ima_gyre_49185.html

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