伝説化された少年の真実の物語を描き出す
『シャトーブリアンからの手紙』
2014.10.22
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- © ARTE France -2011- LES CANARDS SAUVAGES -7ème Apache Films -PROVOBIS FILM
占領下のフランスでドイツ兵によって罪なきフランス人の人質たちが銃殺された史実を、ドイツの名匠フォルカー・シュレンドルフ監督が映画化。『シャトーブリアンからの手紙』が10月25日(土)よりロードショーされる。
“報復のリスト”をめぐる真実、いまあらためて史実を読み直す
第2次大戦時、ナチス占領下のフランスで、ひとりのドイツ人将校が暗殺されたことから、ヒトラーが150人のフランス人の銃殺を命じたという歴史上の真実を映画化。映画にも登場するギィ・モケはその若さゆえ、戦後、ナチ抵抗の悲劇の象徴となり、その名はパリの地下鉄の駅の名前にもなった伝説の少年だ。
21世紀を迎えたいま、史実を読み直したシュレンドルフ監督は、ギィ・モケのみを象徴とするのでなく、報復のための人質選びを命じられたフランスの役人や反ナチスのドイツ将校たちを、感傷の入る余地のない演出で描写する。27人の“報復のリスト”をめぐる真実の物語を誕生させた。
主人公は、ギィ・モケに本作でベアリッツ国際映像祭最優秀男優賞を受賞したレオ=ポール・サルマン。釈放されるべきその日に銃殺されることになるクロード・ラレにマルタン・ロワズィヨン。ふたりと心を通わせる美しい少女オデットにヴィクトワール・デュボワ。若い3人のキャストを、マルク・バルベ、アンドレ・ユングら独・仏の実力派俳優が支えている。
一度回り始めた歯車を止めるのは、いかに困難か
1941年、ナチ占領下フランスでひとりのドイツ将校が暗殺された。ヒトラーは即座に、報復として、収容所のフランス人150名の銃殺を命令。過度な報復に危険を感じたパリ司令部のドイツ軍人たちはヒトラーの命令を回避しようとするが、ときは刻々と過ぎ、政治犯が多く囚われているシャトーブリアン郡の収容所から人質が選ばれる。そのなかに、占領批判のビラを映画館で配って逮捕された、まだ17歳の少年ギィ・モケがいた。
『シャトーブリアンからの手紙』
10月25日(土)より全国順次公開
監督・脚本|フォルカー・シュレンドルフ
キャスト|レオ=ポール・サルマン、マルク・バルベ、ウルリッヒ・マテス、アリエル・ドンバール、ジャン=ピエール・ダルッサン
配給|ムヴィオラ
2012/フランス・ドイツ合作/91分/原題『LA MER À L’AUBE』
http://www.moviola.jp/tegami/
© ARTE France -2011- LES CANARDS SAUVAGES -7ème Apache Films -PROVOBIS FILM
OPENERSより
MOVIE|『ブリキの太鼓』の名匠シュレンドルフ監督、13年ぶりの日本公開作
http://openers.jp/culture/tips_movie/news_tegami_49067.html