ヴィム・ヴェンダース監督
『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』
2015.08.06
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死や内戦などのテーマを扱ってきた世界的な報道写真家、セバスチャン・サルガドの人生をたどるドキュメンタリー『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』。これまで名作を数多く送り出してきたヴィム・ヴェンダース監督と、サルガドの息子であるジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督が共同で手がけた作品が、8月1日(土)より全国公開される。
ふたりの監督がそれぞれの切り口により、
希代の写真家を掘り下げる
1944年にブラジルに生まれ、“神の眼”ともいわれる奇跡的な構図、そしてモノクロを基調とした荘厳なまでに美しい写真で死や破壊などの“現実”を切り取ってきたセバスチャン・サルガド。報道カメラマンとして、ユージン・スミス賞をはじめ、多くの賞を受賞しているほか、近年では大自然の保全や復元に尽力する環境活動家としても知られている。
そんなサルガドの作品に以前から魅了されていたのが、『ベルリン・天使の詩』など劇映画のみならず、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』や『Pinaピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』といった傑作ドキュメンタリーを生み出してきたヴィム・ヴェンダース監督。『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』では、サルガドの長男であり、映像作家として活躍するジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督とともに、それぞれの切り口から、希代の写真家の人生、そして近年サルガドが力を入れているプロジェクト「GENESIS(ジェネシス)」について掘り下げる。
本作は昨年のカンヌ国際映画祭の「ある視点特別賞」などを受賞。また今年のセザール賞でドキュメンタリー賞に輝くなど、世界が絶賛。満を持してこの夏、日本でもロードショーされる。
人間の闇を見つめつづけてきたサルガドが見出した
“地球へのラブレター”
これまでに常に人間を捉え、死や破壊、腐敗といった根源的なテーマを扱ってきたサルガド。しかし、あまりの過酷な旅に彼の心は疲弊してしまう。そして、作風をがらりと変え、2004年から取り組んでいるのが、ダーウィンの足取りをたどることをコンセプトに掲げた「GENESIS(ジェネシス)」だ。
いまも地球上に残るガラパゴスやアラスカ、サハラ砂漠、ブラジルの熱帯雨林など生と死が極限に交わる、ありのままの姿がカメラに収められた。
人間の闇を見つめつづけてきた男が苦しみのはてに見出したものとは。「ジェネシスは、私から地球への“ラブレター”なのです」と語るサルガドが地球を俯瞰する圧巻の映像叙事詩だ。
『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』
8月1日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
監督|ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
出演|セバスチャン・サルガド
配給|レスペ・トランスフォーマー
2014年/フランス・ブラジル・イタリア/110分
http://salgado-movie.com
OPENERSより
ヴィム・ヴェンダース監督『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』|MOVIE
http://openers.jp/article/1317688