バフマン・ゴバディ × モニカ・ベルッチ
『サイの季節』

2015.07.11

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バフマン・ゴバディ × モニカ・ベルッチ『サイの季節』

イラン人監督であり、現在もなお亡命状態を余儀なくされているバフマン・ゴバディの最新作であり、クルド系イラン人の詩人、サデク・カマンガルをモデルに描いた社会派ドラマ『サイの季節』。7月11日(土)より、シネマート新宿ほか全国ロードショーされる。

イラン革命で亡命した伝説的な俳優が鮮烈のスクリーン復帰

デビュー作『酔っ払った馬の時間』(2000年)がカンヌ国際映画祭のカメラ・ドール(新人賞)を受賞したものの、前作『ペルシャ猫を誰も知らない』(2009年)では、イラン政府に許可を得ずに撮影したために亡命を強いられているバフマン・ゴマディ監督。彼の最新作は、国によって死んだことにされた男と、愛するひとと引き裂かれた女、そして欲情にとらわれた男の30年間にもわたる混沌と悪夢を描くものとなった。

ヒロイン役にはイタリアを代表する女優、モニカ・ベルッチ。自身初となるクルド人女性を熱演し、流暢なペルシャ語を披露。若き日から老女まで、30年のときの流れをつややかに、そして体当たりで見事に演じきった。また30年間牢獄に囚われていた主人公には、イランでもっとも伝説的な俳優といわれながら、イラン革命後に亡命し、映画界から実質引退していたベヘルーズ・ヴォスギーが扮し、鮮烈なスクリーン復帰を果たしている。

監獄に囚われているあいだ、死亡したことにされてしまった詩人サヘル

イスラム革命時、ある男のたくらみによって不当に逮捕された詩人サヘル。30年後に釈放され、生き別れとなっていた最愛の妻ミナの行方を捜すが、政府の嘘により、彼はすでに死亡したことにされていたのだ。

いっぽう、夫の死を信じ込まされ、嘆き悲しむミナにはある男の影がまとわりつく。その人物こそが、サヘルを監獄送りにし、ミナとのあいだを引き裂いた男アクバルだったのだ。

亡命状態にあるゴバディ監督、主演のベヘルーズ・ヴォスギーが異国の地トルコで撮影した渾身の作品。ゴバディ監督が生みだす混乱と陶酔の映像世界は、たしかなリアリティでもって私たちの胸に迫り来る。

Text by YANAKA Tomomi

『サイの季節』
7月11日(土)より、シネマート新宿ほか全国公開
製作・監督・脚本|パフマン・ゴバディ
出演|ベヘルーズ・ヴォスギー、モニカ・ベルッチ、ユルマズ・エルドガン、カネル・シンドルク
配給|エスパース・サロウ
2012年/イラク・トルコ/93分
http://rhinoseason-espacesarou.com

OPENERSより
イラン人監督バフマン・ゴバディ × 女優モニカ・ベルッチ『サイの季節』|MOVIE
http://openers.jp/article/1306125

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