杉岡太樹監督によるドキュメンタリー
『選挙フェス!』

2015.07.03

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杉岡太樹監督によるドキュメンタリー『選挙フェス!』 © 2015 mirrorball works

2013年の参議院選挙で緑の党から推薦を受けて立候補したミュージシャン、三宅洋平。彼の17日間の選挙運動に杉岡太樹監督が密着したドキュメンタリー『選挙フェス!』が7月4日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開される。

杉岡監督が“アウトサイダー”として三宅の選挙に密着

レゲエ・ロックバンド「犬式」のボーカルギターとして活動し、ソロミュージシャンとして活動してきた三宅洋平。緑の党から推薦を受けて挑んだ2013年の参議院選挙では、独自の「選挙フェス」と称した“街頭ライブ型政治演説”がインターネットからうねりをあげ、落選候補のなかで最多得票数を獲得するなど、反響を巻き起こした。

その全貌をカメラに収め『選挙フェス!』として映画化したのは、杉岡太樹。彼は東日本大震災による原発事故のあとに起こった脱原発デモに密着したドキュメンタリー『沈黙しない春』を監督。この作品をとおして知り合った三宅から「選挙に立候補する自分の記録を、チームの一員として撮ってほしい」と言われたものの、「資金援助は一切受けずに、アウトサイダーとして選挙に密着するなら」という条件で本作は製作された。

日を追うごとにネットでの再生回数が増え続けた三宅洋平の“演説”

2013年7月に公示された参議院選挙。「憲法改正」や「原発再稼動」「アベノミクスの是非」と並んで注目されたのが、ネット選挙の解禁だ。緑の党から推薦を受けて全国比例区に立候補した34歳のミュージシャン三宅洋平は、音楽好きのあいだでは知るひとぞ知る存在だが、全国的には「無名」の存在だった。

しかし、三宅がギターを鳴らしながら語る“選挙フェス”がはじまったときから状況は一変する。彼の演説は、群集のカメラやスマートフォンに収められ、すぐさまネットにアップロードされ、その再生回数は日を追うごとに伸びつづけたのだ。

それに従い、ネット上で議論を呼び、三宅本人がTwitterやFacebookを使い、そのなかへ飛び込んでいくという、音楽の“コール&レスポンス”をそのまま政治へとトレースしていく。ついに、17日前はほとんど無名の若者だった三宅をひと目見ようと、最後の“選挙フェス”となった投票日前日には渋谷駅前に膨れ上がるような群集が詰め掛けたのだ。

杉岡監督が「三宅洋平のPRではない。僕が彼とともに経験した17日間の記憶をありのままに描き、直接的に解釈してもらうことを目的としている」と語る『選挙フェス!』。三宅洋平というひとりのミュージシャンの選挙活動をとおして日本の選挙のあり方を、そして市民の政治参加についてあらためて問いかける作品だ。

Text by YANAKA Tomomi

『選挙フェス!』
7月4日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督・撮影・編集|杉岡太樹
出演|三宅洋平
配給|mirrorball works
2014年/日本/114分
http://senkyofes.com

OPENERSより
三宅洋平が挑んだ17日間の選挙運動を追ったドキュメンタリー『選挙フェス!』|MOVIE
http://openers.jp/article/1302838

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