三島有紀子監督最新作
『繕い裁つ人』
2015.01.30
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- ©2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会
中谷美紀を主演に迎え、着ることと、生きることの切っても切れない関係を三島有紀子監督が描いた『繕い裁つ人』。1月31日(土)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国ロードショーされる。
神戸を舞台に、演技派俳優が集結
前作『ぶどうのなみだ』が、昨年9月に開催された第38回モントリオール世界映画祭の特別招待作品に選出されるなど、日本はもちろん、世界でも高く評価されている三島有紀子監督。
「いつか仕立て屋の映画をつくりたい」と願ってきた三島監督が、満を持して池辺葵の人気コミックを映画化。仕立て屋の2代目、南市江と彼女を取り巻く人たちとが紡ぎだす、深く切ない物語が届いた。
主演を務めるのは『嫌われ松子の一生』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したのをはじめ、数かずの賞に輝いてきた中谷美紀。本作では主人公のイメージに合わせてばっさりと髪を短くし、仕立て屋になるべく足踏みミシンも習得して撮影に臨んだという。
さらに、市江の仕事に心を奪われる百貨店営業の藤井を三浦貴大が演じるほか、個性派女優の片桐はいり、『小さいおうち』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した黒木華、ベテランの余貴美子といった演技派が顔を揃えた。
また撮影は全編、三島監督の故郷でもある神戸で敢行。海を望む坂道のある街並みや古い洋館など、監督のこだわりが随所に盛り込まれている。
仕立て職人南市江が心に封印してきたものとは
神戸の街を見下ろす坂の上にある「南洋裁店」。昔ながらの職人スタイルを貫き、手づくりの一点ものを生み出す店主の南市江の服は、地元の人たちから長く愛されてきた。
神戸の百貨店に勤める藤井は、そんな市江の仕事に魅了され、ブランド化の話をもちかけるが、頑固な彼女はまったく興味を示さない。
なじみの客はここで仕立てた服とともに年を重ね、人生を彩る。ただ服を繕う日々に十分満足していたはずの市江だったが、「自分がデザインしたドレスをつくりたいはずだ」という藤井の言葉によって、心に封印してきたなにかが次第に揺り動かされていく。
三島有紀子監督が温かさのなかにも厳しさと切なさを込めたまなざしで描く、ひとりの女性の物語。「衣」というテーマと仕事に生きる女性のスピリットが溶け合った、美しい映画が誕生した。
映画の公開に合わせて、PASS THE BATON OMOTESANDO店内スペース「LITTLE PAVILION」内に、期間限定の洋裁店がオープン。デッドストックの生地やリボン、ボタンをはじめ、本作で洋裁指導を担当した伊藤みちよ氏の著書『May Me スタイル大人のふだん着 (日本ヴォーグ社)』を販売するほか、主演の中谷美紀や三島有紀子監督など出演者の私物の販売も、PASS THE BATONウェブサイト内で予定されている。
『繕い裁つ人 × PASS THE BATON 世界でひとつだけの洋裁店』
日程|1月22日(木)~2月15日(日)
会場|PASS THE BATON LITTLE PAVILION(パスザバトン表参道店内)
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ西館B2F
時間|11:00~21:00(日祝は~20:00)
不定休
http://www.pass-the-baton.com/
『繕い裁つ人』
1月31日(土)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国ロードショー
監督│三島有紀子
出演│中谷美紀、三浦貴大、片桐はいり、黒木華、杉咲花、中尾ミエ、伊武雅刀、余貴美子
配給│ギャガ
2015年/日本/104分
http://tsukuroi.gaga.ne.jp/
OPENERSより
MOVIE|中谷美紀主演で人気コミックを映画化
http://openers.jp/article/877530