アルノー・デプレシャン監督
『ジミーとジョルジュ 心の欠片(かけら)を探して』

2015.01.13

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kokoronokakera ©2013 Why Not Productions-France 2 Cinema-Orange Studio

心に傷を負うネイティブ・アメリカンの男性と、流浪の精神分析医の心の交流を描いたアルノー・デプレシャン監督の『ジミーとジョルジュ 心の欠片(かけら)を探して』。1月10日(土)より、シアター・イメージフォーラムほかで全国順次ロードショーされる。

実話に基づいたふたりの男の友情を描く

アルノー・デプレシャン監督にとって、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門への5回目の出品となった『ジミーとジョルジュ 心の欠片(かけら)を探して』が日本に上陸。

デプレシャン監督がかねてから映画化を考えていたというジョルジュ・ドゥヴルーによる『夢の分析』を原案に、実話に基づくふたりの男の友愛が描かれている。

アカデミー賞助演男優賞やカンヌ国際映画祭の男優賞を受賞している実力派ベニチオ・デル・トロが、心に傷を負った男を熱演。また、デプレシャン組常連でもある個性派俳優マチュー・アマルリックが精神分析医を見事に演じ切っている。

ジミーの心のなかに宿る闇に触れていくジョルジュ

アメリカ・モンタナ州に暮らす先住民ジミーは、第二次世界大戦からの帰還後、原因不明のさまざまな症状に悩まされ、カンザス州の軍病院に入院する。そこでフランス人の精神分析医で、人類学者でもあるジョルジュに出会うのだった。

アメリカン・インディアンのモハヴェ族の実地調査をおこなうなど、型破りな経歴をもつ流浪の医師ジョルジュとジミーの対話がはじまった。毎日ジミーの人生について話を聴くうちに、戦争後遺症と思われていた彼の症状には、むしろ幼少期の体験や女性たちとの関係からの影響が大きいことに気づくジョルジュ。

こうして彼は、ジミーの心のなかに宿る闇に触れることに。そして、それは次第に彼自身の心にある“なにか”にも触れる対話療法となっていくのだった。

かつて1991年のデビュー作『二十歳の死』で“トリュフォーの再来”と賞賛され、いまやフランス映画界の重鎮と呼ばれるようになったデプレシャン監督がはじめて英語の台詞、アメリカでのロケに挑んだ本作。ふたりの男の出会いと友情が導いた“奇跡”の物語は、巨匠のあらたな新境地となっている。

Text by YANAKA Tomomi

『ジミーとジョルジュ 心の欠片(かけら)を探して』
2015年1月10日(土)より、シアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開
監督・脚本│アルノー・デプレシャン
出演│ベニチオ・デル・トロ、マチュー・アマルリック、ジーナ・マッキー
配給│コピアポア・フィルム
2013年/フランス/117分
http://kokoronokakera.com/

OPENERSより
MOVIE│ネイティブ・アメリカンと流浪の精神分析医の心の交流を描く人間ドラマ
http://openers.jp/article/858764

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